プリオン遺伝子の構造多型は海綿状脳症の発症率と深い関係があることが知られている。牛においては、プロモーター領域のSNPとBSEと関連があることが報告された。本研究では、牛プリオン遺伝子の6箇所の塩基配列多型(23-bp indel、12-bpindel、2箇所のSNPs、octapeptide repeats、および14-bp indel)を黒毛和種、褐毛和種、ロノ島野生化牛、見島牛及びホルスタイン種について分析した。ロノ島野生化牛では、すべてのサイトにおいてmonomorphicであり、見島牛は23-bpと12-bpのindel siteでpolymorphicであった。また、日本短角種では23-bpと14-bp indel sitesでpolymorphismをしめした。2箇所のSNPsについては、全集団にてmonomorphicであった。ホルスタイン種と褐毛和種では23-bp indel siteにおいてBSE発症牛と同程度の頻度を有した。今回解析した集団では、12種類のハプロタイプが観察され、A'23-12-K6Sl4+'タイプが最も高い頻度を有した。
|