研究課題/領域番号 |
19580331
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (70192739)
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研究分担者 |
佐伯 和弘 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (10298937)
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20298938)
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キーワード | ウサギ体外成熟培養 / ウサギ卵胞の体外発育 / 卵胞内卵子の利用 / ウサギ卵母細胞 / システアミンと体外成熟 |
研究概要 |
哺乳類の卵巣には様々な発育期の卵胞が多数存在しているにも関わらず、これらの卵胞の多くは結局卵巣中で消失し、成熟する能力がある卵子を生産する卵胞はごく限られている。本研究の課題は卵胞腔の形成されておらず、体外成熟能力を持たない卵子を包含する卵胞を体外に取り出し、適切な培養環境を与えて十分に発育させて、包含する卵子に発生能力を賦与することである。これまでの成果では、ウサギ卵胞の体外培養には、3次元構造の重要性やミトコンドリア能力の活性化が必要な事などを示唆してきた。本年は、マグロコラーゲン等による高い体外培養成績を得る事が出来た事を報告した。また、低血清培地による3次元培養でも高い卵胞の発育率を得る事が出来る事も報告した。しかし、効率的かつ安全な絶滅危惧ウサギの再生手段の開発など実用化には、ウシやヒトに比べても低い体外成熟後の発生能力の改善が必要であることも判明した。この改善には、これまでEGF等の成長因子の検討も加えたが、抗酸化物質であるシステアミンの体外培養液への添加がウサギの卵子成熟には大きく有効である事が判明した。以上、本年度は、低酸素下のミトコンドリアの能力検討での成果は高くなかったが、安定した発生立を得られるウサギ卵母細胞培養システムができ、発生能力の検討が容易になった。これは、ウサギ卵胞培養に一定の成果を得た我々の研究にとって、胚発育の正常性と卵胞内卵子の発育性の関連を解明するなど、今後の研究展開には大きな期待が持たれる成果であったと考えている。
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