研究課題
バベシア症を克服するためにはバベシア原虫が持つ独自の赤血球侵入分子機構を理解し、治療法・予防法の開発に繋がる重要なそのターゲット分子を同定していくことが急務となっている。本研究の目的は、未だ明らかとされていない糖鎖認識を基点としたバベシア原虫の赤血球侵入機構を分子レベルで解読しようとするものである。最終年度までに、1)"α2-3シアリルラクトース、ヘパリン、デキストラン硫酸、ヘパラン硫酸、フコイダン、及びコンドロイチン硫酸"がバベシア原虫の赤血球侵入を有意に介入し阻害することをつきとめた。また、シアル酸が欠如した赤血球にはバベシア原虫は侵入できないことも明らかとなった。これらの成果より、上記糖鎖誘導体群と構造上類似した"シアル酸やヘパラン硫酸様多糖"が赤血球膜上の感染受容体として重要な役割を果たしていることが示唆された。また、2)新たにP200(B.bigemina)、HSP70(B.gibsoni)、Bv36(B.bovis)、及びBboP67(B.bovis)などが同定され、新たな原虫リガンド候補として加わった、原虫リガンド分子と感染受容体の特異相互作用を介入できるそれら糖鎖誘導体群や特異抗体の効果は、未だ治療法や予防法のないバベシア症の新規薬剤や新規ワクチンの開発に有用な知見を提供していると考える。
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