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2007 年度 実績報告書

胃から産生される新しいペプチドによる消化管運動の調節機序

研究課題

研究課題/領域番号 19580337
研究機関岐阜大学

研究代表者

志水 泰武  岐阜大学, 岐阜大学・応用生物科学部, 教授 (40243802)

キーワードグレリン / デスアシルグレリン / 消化管運動 / 排便中枢 / 骨盤神経 / 過敏性腸症候群 / 脊髄
研究概要

本研究は、新しいペプチドホルモンであるグレリンの消化管運動に対する作用を明確にすることを目的とする。実験にはラットを用い、麻酔下で消化管にカニューレを挿入し、腸管内腔の圧変化、および単位時間あたりの内腔液の推送量を指標とし、消化管運動を評価した。静脈内にグレリンを投与したが、消化管運動に変化は認められなかった。一方、中枢へ容易に移行するグレリン受容体アゴニストを投与した場合は、極めて強い結直腸の蠕動運動の亢進が発現した。実際に、この薬剤を無麻酔・無拘束のラットに投与したところ、排便が誘発された。グレリンを排便中枢のある腰仙髄部への微量投与したところ、アゴニストの効果が再現された。第四脳室への投与は強い反応を惹起しなかった。また、腰仙髄部から結直腸へ情報を伝える骨盤神経を切断すると、グレリンの大腸運動促進作用が消失することが明らかとなった。これらの結果から、脊髄内で産生されるグレリンが排便を促進することが予想された。興味深いことに、グレリンの脂肪酸による修飾を欠落させたデスアシルグレリンは、このような大腸運動の促進作用を持たなかった。これは、脊髄におけるグレリンの脂肪酸修飾の度合いが、過敏性腸症候群(ストレス時に下痢をしたり、便秘をしたりする病態)の原因のひとつになりうることを示唆する。過敏性腸症候群は増加の一途を辿るものの、原因がわからないため有効な治療法がないのが現状である。本研究の成果が、この病態の解明に寄与し、有効な治療法の開発につながることが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tachykinins and their functions in the gastrointestinal tracts.2008

    • 著者名/発表者名
      Shimizu, Y
    • 雑誌名

      Cell. Mol. Life Sci. 65

      ページ: 295-311

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impairment and restoration of spontaneous contractile activity or longitudinal smooth muscles in the TNBS-inflamed hamster distal colon.2007

    • 著者名/発表者名
      Gurung, Y. B.
    • 雑誌名

      Biomed. Res. 28

      ページ: 301-308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of TRPVl-dependent and-independent components in the regulation of vagally induced contractions in the mouse esophagus.2007

    • 著者名/発表者名
      Boudaka, A.
    • 雑誌名

      Eur. J. Pharmacol. 556

      ページ: 157-165

    • 査読あり
  • [学会発表] Evidence that activation of ghrelin receptors of autonomic preganglionic neurons stimulates autonomic outflows.2007

    • 著者名/発表者名
      Shimizu. Y
    • 学会等名
      5th Congress of the International Society for Autonomic Neuroscience
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-10-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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