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2008 年度 実績報告書

メタボリックシンドロームおよび精神疾患に対するアクチビンEの有用性

研究課題

研究課題/領域番号 19580347
研究機関北里大学

研究代表者

橋本 統  北里大学, 獣医学部, 講師 (90317058)

キーワードメタボリックシンドローム / インスリン感受性 / 肥満 / アクチビン / トランスジェニックマウス / 糖 / エネルギー代謝 / 行動 / 精神疾患
研究概要

Transforming growth factor-βスーパーファミリーに属するアクチビンは細胞の分化・増殖因子として様々な生理活性を有する。アクチビンには数種の分子種が存在するが、中でも肝臓特異的に発現の認められるアクチビンEの機能は明らかでない。これまでに、アクチビンEの生物学的役割を解明する事を目的としてヒトアクチビンEを過剰発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製し、このTgマウスの行動異常と特に雄マウスにおける高インスリン感受性について解析した。今年度は、このTgマウスの雌における糖/エネルギー代謝に関する表現型を解析した。
過剰発現したアクチビンEは血中においてWestern blot法により検出された。このTgマウス(雌)は、週齢を追うごとに体重の増加が認められ、その腹腔内脂肪量は野生型と比べ約1.5倍と多く、組織学的にTgマウスの腹腔内脂肪細胞のサイズは野生型に比べて大きいことが示された。しかし、摂餌量は野生型との差異は認められず、血糖値は野生型と比べ有意に低下していた。さらに、グルコースおよびインスリン負荷試験の結果、インスリン感受性が増大していることが示された。また、血清TNF-αおよびレプチンは同程度であったが血清アディポネクチンは高い値を示した。このTgマウスにおける腹腔内の脂肪量の顕著な増加は雌にのみ見られることから、その差が性ホルモンによるものかどうかを確かめるために、精巣を除去した雄のTgマウスの体重変化を観察した。その結果、精巣を摘出した雄においても雌と同様に野生型に比べ体重が増加した。
以上のことから、雌のTgマウスでは過剰に発現したアクチビンEが、脂肪細胞の分化または増殖を制御することで高インスリン感受性を示すと考えられた。また、このアクチビンEの作用は男性ホルモンにより制御される可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Oocyte-specific over-expression of mouse BMP-15 leads to accelerated follicul ogenesis and an early onset of acyclicity in transgenic mice2009

    • 著者名/発表者名
      McMahon HE, Hashimoto O, Mellon PL, Shimasaki S
    • 雑誌名

      Endocrinology 149

      ページ: 2807-2815

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥満および高インスリン感受性を示すアクチビントランスジェニックマウスの解析2008

    • 著者名/発表者名
      関山一成, 橋本 統, 長谷川喜久
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会/第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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