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2008 年度 実績報告書

イヌアレルゲンの性状分析を通じてのイヌアレルギーのリスク評価とその制御法開発

研究課題

研究課題/領域番号 19580356
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

鎌田 洋一  国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 室長 (20152837)

キーワードイヌ / アレルゲン / リポカリン / 脂質結合性 / 酵素阻害
研究概要

イヌアレルゲンはリポカリンタンパク質ファミリーに属する低分子量の分泌型タンパク質で耳下腺から分泌される。同アレルゲンには2種あり、それぞれCan f 1およびCan f 2と称される。本年度は、イヌアレルゲンのアレルゲン性や生体内機能の本質を理解する試みのため、同タンパク質の生理学的・生化学的性状を検討した。リポカリンタンパク質の基本性状として認知されている低分子の脂質性物質への結合性を調べた。現在までに知られているリポカリン群と異なり、両イヌアレルゲンはレチノイン酸やレチノイド、あるいはオレイン酸などの遊離脂肪酸には全く結合しなかった。同アレルゲンの予想立体構造をコンピュータ解析したところ、リポカリンタンパク質に共通するキャビティー(洞)は認められるものの、両アレルゲンともにキャビーティーが非常に小さく、低分子物質を許容しないものと推察された。また、アミノ酸配列から予想された、メタロプロテアーゼに対する阻害活性について調べたが、両イヌアレルゲンにはそのような活性は検出されなかった。以上の成績は、イヌアレルゲンはリポカリンタンパク質ファミリーに属するものの、特異な性状を持っている事を示している。イヌアレルゲンのアレルゲン性や、イヌ体内での生理的役割の解析には、NMRや線結晶解析により、正確な構造を決定しての議論が必要と考えられた。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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