研究課題/領域番号 |
19580373
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川手 憲俊 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80221901)
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研究分担者 |
玉田 尋通 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10155252)
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00137241)
喜田 加世子 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (50405362)
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キーワード | 潜在精巣 / イヌ / エストロジェン受容体α遺伝子 / 一塩基多型(SNP) / ゲノムDNA |
研究概要 |
平成19年度の研究では、イヌ潜在精巣の原因遺伝子・マーカー遺伝子を探索する目的で、潜在精巣罹患犬のエストロジェン受容体α遺伝子(ESR1)の一塩基多型(SNP)を解析し、正常例との比較を行った。 正常犬(n=76)および潜在精巣罹患犬(n=42)の精巣組織からゲノムDNAを抽出した。イヌのSNPデータベースを利用し、第1染色体のESR1内にSNPが181ヵ所あることを見いだした。そのうち、3'側の2カ所のSNPを調査するため、SNPを含む400bp程の領域を増幅するオリゴDNAプライマーを設計し、精巣ゲノムDNAからPCR法により遺伝子を増幅した。得られたPCR産物を精製し、ダイレクトシークエンス法を行い、潜在精巣罹患例と正常例の塩基配列を比較した。 その結果、ミニチュアダックスフンドとチワワでは、2カ所のSNPは両方とも3種類の多型(SNP1:A/A、A/C、C/C;SNP2:A/A、A/G、G/G)がみられたが、トイプードルでは、SNP1は2種類(A/A、A/C)、SNP2は1種類(A/A)しかみられなかった。ミニチュアダックスフンドでは、潜在精巣例(n=20)のSNP1のA/Cの割合は、正常例(n=40)と比較して、有意に低い値を示した(p<0.05)。潜在精巣例のSNP2のA/Gの割合は、正常例と比較して、低い傾向がみられた(p<0.1)。チワワおよびトイプードルでは、両SNPともに、正常例(それぞれn=19、n=13)と潜在精巣例(それぞれn=15、n=4)の間において、各多型の割合の顕著な差はみられなかった。
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