1.エストロゲン/ERによるレチノイン酸合成酵素遺伝子(raldh2)の転写調節についてin situハイブリダイゼーション法によって調べた結果、エストロゲンはraldh2の転写に影響しないことが判明した。したがって、エストロゲンはレチノイン酸代謝に影響しないことが示唆された。 2.ERαを高発現するTgメダカ胚におけるエストロゲンの効果、並びにantisense ERαを一過的に導入した胚における血管形成への影響を、マーカー遺伝子の発現を指標にしてin situハイブリダイゼーション法、あるいはRT-PCR法で調べた結果、エストロゲンは血管形成を阻害することを明らかにした。エストロゲンによる初期発生への影響を分子レベルで解明するための基礎的データを得たことは学術的な意義が高いと思われる。 3.antisense ERα遺伝子を発現するTgメダカを一匹取得したが、繁殖させることはできなかった。以上の研究結果を踏まえ、最終年度となる来年度は後脳・体節形成への影響についてさらに検討を進めたい。
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