研究課題
基盤研究(C)
海洋細菌Alteromonas sp.O-7株は、キチン存在下において、複数のキチナーゼ(ChiA、ChiB、ChiC、ChiD)、β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(GlcNAcase A、B、C、Hex99)、キチン結合タンパク質(Cbp1)、およびプロテアーゼ(AprIV、MprIII)を産生し、それらの酵素の相乗作用によりキチンをその構成単位であるN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)に分解することをすでに明らかにしている。しかしながら、(1)本菌のキチン吸着機構、(2)キチン分解産物(GlcNAcおよびキチンオリゴ糖)の輸送機構、(3)キチン分解産物の代謝経路に関与する酵素の特定および役割、(4)キチン分解系、輸送系および代謝系に関与する遺伝子の発現調節機構などについては、未解明のままである。今回、キチン分解産物の代謝経路に関与する酵素としてGlmSに着目し、その役割ならびに発現調節機構について明らかにした。また、O-7株のキチン分解機構に関与するタンパク質を網羅的に解析する目的で、ゲノム解析を行った結果、新たに1種類のキチナーゼ、キチン結合タンパク質およびN-アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子が存在することを認めた。
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