研究課題
バイオ燃料は、エネルギー問題、環境問題、地域開発、余剰農産物対策として、米国・ブラジルをはじめ世界中で導入・普及が進められている。本研究では、基礎的課題として、米国、ブラジル、中国、マレーシア、インドネア、インド等におけるバイオ燃料導入の社会経済的背景と政策動向について調査・分析を行った。さらに、これらの調査・分析を踏まえ、米国及び中国におけるバイオエタノール政策拡大が国際ともろこし需給に与える影響について部分均衡需給予測モデルである「世界とうもろこし需給予測モデル」を開発して影響試算を行った。また、日本及び中国におけるバイオ燃料輸入の拡大が国際砂糖需給に与える影響について、部分均衡需給予測である「世界砂糖需給予測モデル」を開発して影響試算を行った。さらに、ブラジルにおけるバイオデイーゼル政策拡大が国際大豆・大豆製品需給に与える影響について「世界大豆・大豆製品需給予測モデル」を開発して影響試算を行った。これらの影響試算の結果、いずれのシナリオでもバイオ燃料政策の拡大は農産物需給に影響を与えることが予測することができた。以上の影響試算の結果は、世界最大の純輸入国である我が国の「食料安全保障」において看過出来ない重要な点である。バイオ燃料の導入に際しては、温室効果ガス削減による地球温暖化防止の効果のほか、地域経済の活性化などが挙げられているが、我が国においてその効果を定量的に評価した研究事例はそれほど多くない。本研究では、北海道十勝地方において計画されているバイオエタノール生産を事例に、ライフサイクルアセスメント(LCA)分析と産業連関分析を用いて、温室効果ガスの削減効果および地域経済に与える影響を評価した。分析の結果、十勝地方において生産されたバイオエタノールは化石燃料と比べ温室効果ガス排出が削減され、地球温暖化防止に効果があることが示された。また、バイオエタノールのライフサイクルにおいて各種温室効果ガス削減技術を導入することで、温室効果ガスはさらに削減可能であることも明らかとなった。さらに地域経済への影響についても、バイオエタノールは化石燃料に比べ、地域経済に大きな影響を与えていることが示された。
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