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2008 年度 実績報告書

生物種特異的分子識別機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19580395
研究機関京都大学

研究代表者

谷 史人  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70212040)

キーワード生物種特異的 / ストレスタンパク質 / 多様性識別 / 非相同的塩基配列 / 自然免疫 / 膜受容体 / 光反応性架橋剤 / 抗原提示細胞
研究概要

P388D1細胞表面に存在しマウスHsp72のC末端領域を識別する膜タンパク質HSP-DDRを同定するために、光反応性架橋剤SBEDで修飾されたSBED-Hsp72をP388D1細胞と反応させUV照射を行いHSP-DDRとHsp72を光架橋後、膜受容体HSP-DDRを特異的にビオチン標識し、候補分子を探索した。その結果、分子サイズ130〜300kDaにかけて6種類のタンパク質が得られたが、これらの候補受容体を効率よく、かつ純度よく、可溶化剤の種類を複数組合せながら精製を検討したところ、界面活性剤のなかではオクチル-β-D-グルコピラノシドが適することを見出したが回収量に問題があった。引き続き部分精製を継続中である。また一方、腫瘍細胞を用いて誘導型Hsp72のC末端領域が生体内の細胞において免疫細胞へのシグナルとなり得るのか否かについて調べた。その結果、マウス肺癌カルシノーマLL/2細胞に対して42℃で2時間の温熱処置を施すと、細胞内での誘導型Hsp72の発現とともに細胞表面へのHsp72提示が生細胞において観察された。温熱処置されたLL/2細胞は、Hsp72の504〜617アミノ酸残基を認識する抗体と特異的に反応したが、122〜264残基を認識する抗体とは反応しなかったことから、この提示にはHsp72のC末端が関係していることを明らかにした。Hsp72の組換え体を作製し、種々の免疫細胞との結合性を調べたところ、CD11b,CD11c,NK1.1陽性を示す自然免疫系にかかわる細胞群と結合することが判明した。この結果は、株化細胞のみならず本来の生体防御系においてHsp72のC末端領域が生物間のシグナルの授受に寄与することを示した例を意味している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Surface expression of a C-terminal alpha-helix in heat shock protein 72 on murine LL/2 lung carcinoma can be recognized by innate immune sentinels2009

    • 著者名/発表者名
      F. Tani, M. Ohno, Y. Furukawa, M. Sakamoto, S. Masuda, N. Kitabatake.
    • 雑誌名

      Molecular Immunology 46

      ページ: 1326-1339

    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of CpG-oligodeoxynucleotides on dendritic cell development2008

    • 著者名/発表者名
      R. Ohue, F. Tani, N. Kitabatake
    • 学会等名
      Joint Symposium of the 18th International Roundtable on Nucleosides, Nudeotides and Nucleic Acids & the 35th International Symposium on Nucleic Acids Chemistry
    • 発表場所
      Kyoto, Japan
    • 年月日
      20080908-20080912
  • [学会発表] 核酸成分CpG-ODNが樹状細胞に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      大植隆司, 谷史人, 北畠直文
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] 抗原提示細胞による熱ショックタンパク質の多様性識別2008

    • 著者名/発表者名
      谷史人, 西川慧, 山田祐香理, 大植隆司, 北畠直文
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-10
  • [図書] 地球環境学へのアプローチ 第7章「環境と食-生体防御からみた食の環境-」2008

    • 著者名/発表者名
      谷史人
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      丸善株式会社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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