研究概要 |
1.サツマイモ葉に含まれるポリフェノール類の中で、最も機能性の高い3,4,5-トリカフェオイルキナ酸(TCQA)をオープンカラムにて精製・回収した。TCQAをタンパク質の抗原として認識させるようにTCQAと市販の各キャリアープロテイン(ウシアルブミン;BSA、ヒトアルブミン;HSA、卵白アルブミン;OVA、Keyhole Limpet Hemocyanin;KLH)をEDC法にて結合させた。TCQAとキャリアープロテイン結合体は精製され、高純度の抗原として回収した。しかし、KLHはTCQAとうまく結合しなかったため、回収できたのはTCQA-BSA、TCQA-HAS、TCQA-OVAの3種のみであった。 2.6週令マウスまたはラットに、抗原を免疫させ3週間ほど飼育した。9週令に採血を行い、TCQAを認識する抗体価をELISA法にて調べ、抗体産出個体のみを選抜した。この時、抗体産出を行う個体が現れるまで免疫させる抗原種および抗原量を検討した。その結果、TCQAを認識する抗体の抗原になり得たものはTCQA-BSAのみであった。また、マウスとラットに免疫させて検討したが、抗体の産出が確認できたのはマウスのみであった。さらに、その抗体産出マウス個体においても抗体価が低かったため、同じ個体に2度目の追加免疫を行い更に4週飼育した。 3.追加免疫の4週間後に採血を行い、TCQAを認識する抗体価をELISA法にて調査し、追加免疫前よりも抗体価の増加した個体のみを選抜した。この結果、複雑な物質の抗体作成にも関わらず、抗体の作成が認められる個体を得ることができた。現在、ハイブリドーマと細胞融合させ、スクリーニング中である。
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