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2007 年度 実績報告書

寄生・宿主相互作用解明を指向した糖鎖の化学合成

研究課題

研究課題/領域番号 19590011
研究機関共立薬科大学

研究代表者

羽田 紀康  共立薬科大学, 薬学部, 准教授 (70296531)

キーワード糖化学 / 寄生虫 / 糸状菌 / 寄生・宿主相互作用 / 糖脂質 / 糖タンパク質
研究概要

当研究室において細胞表層における複合糖質糖鎖の機能解明の一助として、下等動物より得られる糖脂質や糖タンパク質糖鎖の化学合成を目指してきた。合成化合物は均一構造を有しており、生命現象を分子レベルで解明する上で貢献でき、創薬への応用も期待できる。今年度は表題である『寄生・宿主相互作用解明を指向した糖鎖の化学合成』の一環として1.エキノコックス由来糖タンパク質糖鎖の合成2.糸状菌Mucor属由来糖脂質の合成を遂行した。1について我々はこれまでに同寄生虫より見出された新規糖脂質を化学合成し、これらはエキノコックス感染者の血清と相関があり、抗原性を見出してきた。一方で、同寄生虫の血清診断に利用される抗原にはEm18、EmA9、Em2などがあり、このうちEm2はGalβ(1-3)GalNAcを核として分岐したムチン型の糖鎖を持った糖タンパク質構造をとっていることが判明している。これまでに当研究室ではエキノコックスから見出された新規糖タンパク質を糖鎖の還元末端側にセリンが結合した形のモデル化合物の合成を試みたが、セリン誘導体は強塩基性条件下でセリンがβ脱離を起こし、効率よく合成することが困難であった。さらにEm2のペプチド部分には抗原性がないことも示唆されているため、今回は還元末端側にセリンではなく2-(trimethylsilyl)ethyl基を導入した6種類のモデル化合物の効率的な合成方法の構築を目指した。すなわち適切な保護基で保護した単糖誘導体を調製した後、立体選択的に順次縮合させ、三〜五糖誘導体を6種類合成した。現在までに3種類は脱保護が完了し目的化合物が得られており、残り3種類の脱保護を現在行っている。今後上記同様患者血清との相関を調べ、抗原性を明らかにできると特異的な診断薬への道が開けると考える。2についてはガラクトースのみから成る糖脂質が報告され、三、四、五糖の全合成を完了し、この結果は専門誌Carbohydrate Researchに受理された。今後、糸状菌における植物への細胞毒性並びにヒトヘの免疫応答に関する生物活性を期待する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Echinococcus multilocularis 由来糖タンパク質の糖鎖部分に関する合成研究(5)2008

    • 著者名/発表者名
      小泉 晶彦、羽田 紀康、竹田 忠紘、山野 公明
    • 学会等名
      日本薬学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-26
  • [学会発表] Echinococcus multilocularis 由来糖タンパク質の糖鎖部分に関する合成研究(4)2007

    • 著者名/発表者名
      小泉 晶彦、羽田 紀康、竹田 忠紘、山野 公明
    • 学会等名
      日本糖質学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2007-08-02

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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