研究概要 |
求核性の低いジルコノセン錯体(特にアルケニルジルコノセン錯体)を用い,一価ロジウム触媒存在下ω-カルボニル-α,β-不飽和ケトンと反応させることにより,共役付加に続く分子内アルドール反応を経る立体選択的な炭素環状化合物の構築を行った.また,ビス-α,β-不飽和ケトンとの反応では分子間および分子内共役付加の連続による環構築を達成した.さらに、不斉補助基としてサルタム基を有するアミドと同様な反応を行い,高ジアステレオ選択的に官能基化された光学活性炭素環状化合物の構築にも成功した(Tetrahedron Lett.,2007,48,6471).同様な形式の反応は,求核試薬としてアシルジルコノセン錯体を用いた場合には,パラジウム触媒を用いることにより達成された(J. Oraganometallic Chem.,2007,69,4528).最近では一価銅触媒を用い,不斉配位子としてスパルテインさらにアシル化剤共存下においてアルケニルジルコノセン錯体がイミン誘導体にエナンチオ選択的付加をすることを見出した(学会発表)。一方,カチオン性ロジウム錯体を触媒としプロパルギルアニリン誘導体からのインドール骨格の一段階での構築を明らかにした(Angewandte Chem.Int.Ed 2007,46,3931).本インドール合成は更なる研究により,アニリンおよびプロパルギルハライドおよびロジウム触媒の存在で一挙にインドール誘導体を与えることを明らかにした(学会発表).今後,上記新知見の応用展開を計り有用な生理活性物質の合成を検討していく.
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