研究課題/領域番号 |
19590013
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
田村 修 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (30257141)
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研究分担者 |
岡本 巌 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (80307074)
森田 延嘉 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (00433847)
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キーワード | 炭 / 酸化反応 / 二量化反応 / 酸素 / ビナフトール / ビフェノール / ビカルバゾール / ベンゾフランネオリグナン骨格 |
研究概要 |
炭は、古くから用いられている燃料であると共に化学材料でもある。例えば、炭の持つ脱臭作用はよく知られている。炭はグラファイト構造の他に金属酸化物とブレンステッド酸部分を有し、さらに半導体としての性質も持つことから、酸化反応の触媒となるものと期待できる。そこで、酸化カップリングの検討を行った。まず、ナフトール類の反応を検討した。炭としては竹炭、朴炭、紀州備長炭、愛媛備長炭、活性炭を用いて検討した結果、4-メトキシ-1-ナフトールを紀州備長炭を触媒として用いてトルエン中酸素存在下、室温で撹拌すると酸化的二量化反応が進行し、78%の収率で対応するビナフトールを与えることを見出した。同様に、3,4-ジメトキシフェノールを愛媛備長炭を触媒とし、酸素酸化を室温で行うと、フェノールカップリングが進行して、ビフェノールが46%の収率で得られた。さらに、紀州備長炭を触媒として用いる酸素酸化を水酸基を有するカルバゾールに対してキシレン中130℃で行うと、酸化的二量化反応が進行して抗腫瘍活性を有することが知られているビスカルバゾールを77%の収率で与えた。また、4-(1-プロペニル)-2-メトキシフェノールを紀州備長炭を用いて酸素酸化をエタノール中70℃で行うと酸化的二量化反応が進行してベンゾフランネオリグナン骨格が一挙に得られた。炭を用いるこれらの酸化的二量化反応の副生成物は、原理的に水のみであり、廃棄物を出さない反応である。また、触媒として用いている炭は、再使用が可能である。さらに、通常の金属触媒は、複雑な精製課程や触媒の調製過程を含むのに対し、炭は木材を蒸し焼きにするだけで作ることができる。従って、炭は開発途上国でも容易に作成できる化学触媒と言える。現在、論文を作成中である。
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