1、ミカン科Clausena anisataよりγ-ラクトンカルバゾールアルカロイド タイで採集したミカン科Clausena anisataの枝部のアセトンエキスから、新しいカルバゾールアルカロイド2種を単離、furanoclausamine AおよびBと命名し、構造決定した。これらの化合物は、いずれもカルバゾール骨格の3位と4位にγ-ラクトン構造が縮合したもので、天然より単離されたのはこれが初めての例である。また、含有成分についてヒト急性骨髄性白血病細胞株HL-60に対する細胞毒性試験を行ったところ、clausamine Eに顕著な細胞死が認められた。 2、かつお節・枯節の製造時に使用される糸状菌Eurotium herbariorumが生産する抗酸化物質 鰹節から単離された糸状菌10株のメタノール抽出物について、DPPHラジカル消去能を調べた。枯節(鰹節の一種)の製造のカビ付けに使われるE.herbariorum NE-1とNE-4は高い活性を示し、^1H-NMR、^<13>C-NMR、EI-MS分析によりisodihydroauroglaucin、auroglaucin、dihydroauroglaucin(DAG)、tetrahydroauroglaucin(TAG)、flavoglaucinの抗酸化成分の5成分が同定された。これらはα-トコフェロールと比較するとDPPHとスーパーオキシドのラジカル捕捉能が高かったが、DHAの自動酸化における阻害性は低かった。これら抗酸化成分はEurotium属によって生産され、Aspergillus属では生産されなかった。DAGとTAGは他成分より高いラジカル捕捉能を示し、E.herbariorum NE-1とNE-4の抽出物に多く含まれていた。
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