研究課題/領域番号 |
19590031
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐々木 祐二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (20354839)
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研究分担者 |
須郷 由美 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究員 (90354836)
北辻 章浩 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (30354898)
小熊 幸一 国立大学法人千葉大学, 工学部, 教授 (60009529)
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キーワード | ジグリコールアミド / カルシウム溶解 / 錯形成 / 胆石 / 製薬 |
研究概要 |
昨年度、親水性DGAの取得及び模擬試料(シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム)や(EDTA,クエン酸、ニトリロ三酢酸、ウルソデオキシコール酸)を入手した。親水性DGAの一つであるTEDGAの水溶液(水、硝酸)、有機溶媒(エタノール)中の溶解実験を行い、いずれの溶解液にも制限無く溶解でき、溶解溶液として利用できる事を確認した。又、エイムズ試験を実施し毒性評価を行った。試験の結果からTEDGAは突然変異能を有さないと判断できた。 本年度は次の事を実施した。DGA化合物とその他の錯形成剤とCaとの反応におけるカロリメトリー試験を実施し、クエン酸との性能の比較を行った。両方の化学試薬共にカルシウム1に対して2分子結合すること、TEDGAは1分子目の結合定数は高いが、クエン酸は2分子結合の反応性が高いことなどが分った。このことから、濃度の低い条件でTEDGAはCa溶解に有効であると思われる。また、DGA化合物も2種検討したが、窒素にエチル基を導入したTEDGAがメチル基を持つTMDGAより反応性が高い。この結果より、TEDGAで実施・検討を進めることとする。模擬試料の作成を行い、実試料の溶解試験の前の基礎検討を行った。異なる組成のコレステロール:リン酸カルシウム粉末のペレット成型を試みた。ここでは、コレステロールの変性を避けるために加熱しない条件で加圧して成型可能かどうかを調べた。その結果、無機化合物のみではペレット化が困難であり、成型後も表面剥離や崩れやすい性質を持つが、コレステロールが混在する試料では十分な成型が可能である事を確認した。実試料でも無機、有機の混合体であり、実試料に対応する試料の成型が可能である事を確認した。一方実試料として、人の胆石、及び猫の胆石の入手に成功し、次年度の溶解実験に備える事ができた。
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