研究課題/領域番号 |
19590039
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝 孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40112156)
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研究分担者 |
美馬 伸治 熊本大学, 薬学部, 助教 (50398244)
増田 和文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00243486)
駒越 圭子 岡山大学, 薬学部, 技術専門職員 (50437563)
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キーワード | イオンセンサー / 酸素電極 / 有機アンモニウムイオンセンサー / カフェイン / ヒドロキシルラジカル / 膜電位 / 呼吸阻害 / 膜透過 |
研究概要 |
本年度は、カフェインセンサーの開発と酸素電極を利用するヒドロキシルラジカル定量法の開発を中心に研究を進めた。私達は過去に報告されたカフェインセンサーが、カフェインのイオン形(カフェイニウムイオン)のpK_aが0.6〜0.7付近であるにもかかわらず、中性付近のpHでも安定した電位応答を示す点に大きな疑問を抱き、本研究を開始した。一般に、無機イオンからの妨害が少ない優れた有機アンモニウムイオンセンサーを作製するためには、脂溶性の高いイオン交換体(テトラキス[3,5-ビス(2-メトキシヘキサフルオロー2-プロピル)フェニル]ホウ酸ナトリウム)と誘電率の高い膜溶媒との組み合わせがよいことが知られている。様々な膜溶媒を検討した結果、カフェインセンサーの場合でも誘電率の高い膜溶媒(2-フルオロー2'-ニトロジフェニルエーテル)の使用がよいことが明らかにされた。今回開発したセンサーを用いて、pH効果を詳細に検討した結果、中性付近ではカフェイニウムイオンに対する応答は認められず、酸性領域でカフェイニウムイオンのpK_aに近くなるほど強く応答することが明らかにされた。一方、酸素電極法によるヒドロキシルラジカルの定量は、マンニトールなどのヒドロキシルラジカルスカベンジャー存在下で酸素消費速度を測定することを原理としている。例えば、マンニトールの場合では、生成したマンニトールラジカルが酸素分子と反応して溶存酸素が減少する。様々なスカベンジャーを用いて酸素消費速度を比較検討した結果、従来法であるニトロソジメチルアニリン法(吸光度法)とよい相関性がみられた。その他、センサーを用いた応用研究として、細菌をポルフィリン存在下で光照射したときに引き起こされる細胞膜電位の低下、呼吸阻害および膜損傷の検討、細胞膜に開けられたチャンネルサイズの定量法の開発なども行っており、現在さらに詳細な検討を進めている。
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