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2007 年度 実績報告書

リン酸基認識能を持つナノ分子をツールとした遺伝子多型検出法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19590040
研究機関広島大学

研究代表者

木下 英司  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80304418)

キーワード一塩基多型 / SNP / 亜鉛 / 遺伝子 / 電気泳動 / ゲノム / フォスタグ / オーダーメード医療
研究概要

ゲノム塩基配列中に一塩基の変異が1%以上の頻度で見られることを一塩基多型(SNP)と呼ぶ。SNPを利用して,疾患関連遺伝子の特定や遺伝病の危険率の診断が行えると期待されている。SNPの検出法として,制限酵素断片長多型法,Invader法,TaqMan PCR法,一塩基伸長法,PyroSequence法,Exonuclease Cycling Assay法など種々の方法が開発されている。それらの方法は,スクリーニングスケールの大きさ,機器の種類,分析精度,簡便さなどを選択基準として利用されている。本研究において研究代表者は,リン酸基に選択的な親和性をもつ機能性分子(フォスタグ,Phos-tag)を用いた新しいSNP検出を開発した。この方法では,アクリルアミド基をもつPhos-tagを共重合させた電気泳動用アクリルアミドゲルを使用する。
ヒトのゲノムDNAを鋳型とし,2種類のアレル特異的プライマー(5'末端にリン酸基を持つものと持たないもの)とそれらとペアになる共通のリバースプライマーを用いてPCRを行った。この操作により,同一塩基数の5'-リン酸化アレル特異的PCR産物と非リン酸化アレル特異的PCR産物が得られる。それらをリン酸基親和性電気泳動法により分離することにより,アレルの種類とホモ/ムテロの判別を同時に行うことができる。今回は,ヒト心筋由来Naチャネル遺伝子SCN5Aにおける既知のSNPを検出し,アレルの遺伝子型を同定した例を紹介する。この方法により,ミニゲルクラスの電気泳動装置で,ほぼ100%の精度でSNPタイピングができる。本法が,スクリーニングスケールの小さな遺伝子多型の研究に貢献できるものと期待している。この成果は,2008年3月28日に横浜で開催の日本薬学会第128年会で発表される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A mobility shift detection method for DNA methylation analysis using Phosphate affinity polyacrylamide gel electroophoresis2008

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita-Kikuta, E.
    • 雑誌名

      Anal. Biochem. (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リン酸基アフィニティー電気泳動法を利用した細胞内タンパク質リン酸化反応の解析法2007

    • 著者名/発表者名
      木下英司
    • 雑誌名

      実験医学 25

      ページ: 1229-1235

  • [雑誌論文] キナーゼプロファイリングのための新しいリン酸アフィニティー電気泳動法2007

    • 著者名/発表者名
      木下英司
    • 雑誌名

      生物物理化学 51

      ページ: 199-206

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 金属イオンの特性を利用したリン酸化タンパク質の特異的認識と検出2007

    • 著者名/発表者名
      木下英司
    • 雑誌名

      薬学雑誌 127

      ページ: 1897-1913

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リン酸基アフィニティー電気泳動法を利用した遺伝子診断法2007

    • 著者名/発表者名
      木下英司
    • 雑誌名

      実験医学 25

      ページ: 3033-3039

  • [雑誌論文] Identification on membrane and characterization of phosphoproteins using an alkoxide-bridged dinuclear metal complex as a phosphate binding tag molecule2007

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi, T.
    • 雑誌名

      J. Biomol. Tech. 18

      ページ: 278-286

    • 査読あり
  • [学会発表] リン酸基アフィニティー電気泳動法を応用した新しい遺伝子診断法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      中島弘美
    • 学会等名
      日本薬学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-03-28
  • [備考]

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/tkoike/research.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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