研究課題/領域番号 |
19590046
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
米谷 芳枝 星薬科大学, 星薬科大学・薬学部, 教授 (10231581)
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研究分担者 |
川上 宏子 野口研究所, 研究部, 研究員 (40320254)
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キーワード | 遺伝子ベクター / オリゴアルギニン / 生体膜貫通ペプチド / リポソーム / 非エンドサイトーシス / ミセル / ラクトース修飾 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
本研究では、遺伝子導入効率を上昇させるために、核移行能がある新規ラクトース脂質を合成し、これまでのオリゴアルギニンPEG脂質と混合した脂質ナノ粒子からなる遺伝子導入ベクターの開発を目的とする。平成19年度は遺伝子をコンパクトにし、細胞膜に作用する最適なオリゴアルギニン鎖長とPEGリンカー鎖長を有し、自己凝集するオリゴアルギニンPEG(2000)脂質と、ラクトースPEG(2000)脂質をそれぞれデザインし、合成した。また、遺伝子とオリゴアルギニンPEG脂質ミセルベクターとの複合体の構造を物理化学的手法で調べ、培養細胞における遺伝子導入効率との関係を調べた。その結果、遺伝子発現に最適なオリゴアルギニンのアルギニン数は10であった。平成20年度は、オクタアルギニンPEG脂質とラクトースPEG脂質の最適な混合ミセルベクターと、リポソームベクターによる遺伝子導入ベクターの開発と、これらベクターと遺伝子との複合体の細胞内での取り込み機構とDNAの放出について、蛍光顕微鏡を用いて検討した。 (1)糖修飾デカアルギニンミセル、またはリポソームベクターによるプラスミドDNAの遺伝子導入効率評価を行った結果、ミセルでは糖脂質のような他の成分が添加されると構造的変化等が起こりやすく、遺伝子発現が低下することが明らかとなった。また、リポソームベクターにおいても、ラクトース修飾によって遺伝子発現の上昇は見られなかった。 (2)これらのベクターとDNA複合体の細胞内での取り込み機構とDNAの放出について、蛍光顕微鏡を用いて調べた結果、マクロピノサイトシスによって取り込まれ、細胞内でDNAは速やかに放出されることが明らかになった。
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