研究課題/領域番号 |
19590047
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
大和 進 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (60057370)
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研究分担者 |
立川 英一 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (50146031)
中川 沙織 新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (30410228)
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キーワード | 抗ストレス薬 / プレグネノロン / セミミクロHPLC |
研究概要 |
長期間の過剰なストレスは、副腎皮質からのコルチゾール等の過分泌を引き起こし、消化器症状、高血圧、糖新生の亢進、免疫機能の低下などが引き起こされる。この過剰のコルチゾール産生に対して適度な抑制を行い、ステロイドホルモンの濃度を調節し、生体機能を維持することは重要である。コルチゾールの分泌機構は、コレステロールより側鎖切断酵素チトクロームP450sccを介してプレグネノロンが産生され、これが律速段階となってコルチゾールなどのホルモンが分泌される。昨年度開発したプレグネノロンおよび17-ヒドロキシプレグネノロンのセミミクロHPLC定量法を用いて、ウシ副腎皮質培養細胞中のプレグネノロン定量に応用した。ウシ副腎皮質培養細胞にACTHで刺激を行い、さらにトリロスタン(3β-HSD阻害剤)を用いてカスケードをとめることで、プレグネノロンを蓄積させ、定量した。細胞数を一定にして培養液量を変えてプレグネノロンおよび17-ヒドロキシプレグネノロンを定量することで、細胞内から細胞外へのプレグネノロンの放出過程が、単純拡散によるものであることが推察された。この培養細胞系にコルチゾールの産生抑制作用が認められている薬用人蔘サポニン代謝物のM4(20(s)-protopanaxatriol)を添加し、細胞内外のプレグネノロンおよび17-ヒドロキシプレグネノロンを定量して、その抑制効果を評価した。その結果、細胞内外において、M4がプレグネノロンおよび17-ヒドロキシプレグネノロンの産生を抑えることを明らかにした。M4のコルチゾール抑制作用は、細胞内におけるコレステロールからプレグネノロンの変換過程において作用するものと推察された。
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