研究課題/領域番号 |
19590049
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
片岡 洋行 就実大学, 薬学部, 教授 (80127555)
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研究分担者 |
斉藤 啓太 就実大学, 薬学部, 助教 (30454854)
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キーワード | 分子インプリントキャピラリー / 充填キャピラリー / オンライン分析システム / 薬毒物分析 / 固相マイクロ抽出法 / 悪臭物質 / 有機フッ素化合物 / ニコチン |
研究概要 |
19年度は、実施計画に基づき、分子インプリントキャピラリーの作製及び遠心型SPMEサンプリングデバイスの検討を行った。また、オンラインインチューブSPME法を用い、様々な薬毒物や環境汚染物質の分析に適用した。特に、食品・環境汚染物質や生体内反応マーカーを効率よく抽出濃縮して簡便迅速に定量する方法を開発し、それらの湯要請を評価した。さらに、新規マイクロ固相抽出法を開発するために、充填キャピラリーの作成や生体ガスサンプリング器材を考案し、皮膚ガスを直接採取して、GCの熱脱着装置を用いて分析するシステムを検討している。 1.分子インプリント法により、エストラジオールやカフェインを鋳型とした分子認識ポリマー(人工医薬品受容体)の合成法を検討し、その選択性や吸着能を評価した。フロロカーボン糸をキャピラリー内へ挿入して分子認識ポリマーをコーティングする新技術を考案し、類似構造を持つ化合物に対し選択性の高い分子認識能を示し、異なる骨格を有する化合物にはほとんど選択性は得られなかった。 2.ヘマトクリットローターを用いて遠心型SPMEサンプリングデバイスを検討したが、キャピラリーへの試料の導入が困難で、負荷量も少ないなど、濃縮分析には解決しなければならない問題点がある。しかし、遠心力を利用して多検体の同時処理が可能であることから、上記の問題点を解決する方法を現在検討中である。 3.SPME法を用い、悪臭物質であるジオスミンやメチルボルネオールの環境水分析法を確立した。また、オンラインインチューブSPME法によるPFOSやPFOAなどの有機フッ素化合物の選択的濃縮法を確立し、環壕分析に応用した。さらに、これまで困難であった水溶性化合物の効率的濃縮に極性キャピラリーを用い、アミン類やアミノ酸類、ニコチンやコチニンの分析法を確立して、食品試料や生体試料分析に適用できることを明らかにした。 4.活性炭や様々なポリマー、イオン交換樹脂を充填したキャピラリーやモノリスキャピラリーを用いた新規SPME法の開発、固定化酵素ビーズや磁気ビーズを充填した機能性キャピラリーについて検討中であり、今後、薬毒物濃度と毒性の同時分析のためのパラレル多検体同時処理法についても検討する予定である。
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