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2007 年度 実績報告書

気管支喘息治療におけるパラドックス解明のための基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 19590055
研究機関静岡県立大学

研究代表者

齊藤 真也  静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80271849)

研究分担者 中畑 則道  東北大学大学院, 薬学研究科, 教授 (60045804)
山国 徹  東北大学大学院, 薬学研究科, 准教授 (30333793)
キーワードcAMP / ホスホエステラーゼ / C1チャネル / PKA / 平滑筋収縮
研究概要

平滑筋の収縮には電位依存性Caチャネルの活性化が大きく寄与している。通常平滑筋において、細胞内のcAMP量の上昇は膜電位を過分極側に傾けることで、間接的にこのチャネルを抑制することが知られている。したがって、PDE阻害薬はcAMP代謝経路を阻害することで細胞内のcAMP含量を増加させ、上記の間接的収縮抑制効果を現す。ところで、難病として知られている嚢胞性線維症は遺伝性疾患であり、その原因タンパク質である嚢胞性線維性膜貫通調節因子(cystic fibrosis transmenbrane conductance regulator: CFTR)はC1イオンを通すチャネルである。興味深いことにCFTRの活性化にはcAMP依存性タンパク質リン酸化酵素(PKA)によるリン酸化が必須である。通常の興奮性細胞では細胞外のC1濃度が細胞内よりも高いことからC1チャネルの活性化は過分極に働く。しかしながら、平滑筋においてはC1イオンの取り込み機構によって細胞内の濃度が他の細胞よりも高くなっているために、C1チャネルの活性化されると、電位勾配にしたがって(濃度勾配に逆らって)C1イオンが細胞外へ流出し、膜電位は脱分極側へ傾く。我々は平滑筋の収縮過程においてこのC1チャネルが活性化され、細胞の興奮性に寄与することを薬理学的に明らかにした。この発見によって細胞内cAMP量の増加から興奮へいたる経路の最後のピースが明らかとなり、収縮機構の説明が可能となった。したがって逆に病態生理的状態と、生理的状態でのこの経路の関与の差を明らかにすることが次の課題となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Abnormal features in mutant cerebellar Purkinje cells lacking junctophilins2007

    • 著者名/発表者名
      Ikeda A, et. al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 363

      ページ: 835-839

    • 査読あり
  • [学会発表] インドメタシン存在下で電位依存性Caチャネルを介するU46619誘発性収縮におけるホスホリパーゼA_2産生物の役割2008

    • 著者名/発表者名
      西島愛美
    • 学会等名
      第81回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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