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2008 年度 実績報告書

癌細胞の糖鎖のガラクトシル化を制御する転写因子ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19590062
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

佐藤 武史  長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (30291131)

研究分担者 古川 清  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10190133)
キーワード癌 / 糖タンパク質 / 糖鎖 / ガラクトシル化 / 転写因子
研究概要

細胞膜糖タンパク質に結合したN-型糖鎖は細胞の癌化に伴って著しく構造が変化し、癌細胞の腫瘍形成や転移に関わっている。我々は、細胞の癌化に伴って著しく発現が変化するβ-1, 4-ガラクトース転移酵素(β-1, 4-GalT) IIやV遺伝子の発現を制御して、癌細胞の増殖や腫瘍形成を抑制できることを見出した。本研究では、マウスβ-1, 4-GalT IIやV遺伝子の発現を制御する転写因子の同定、及び転写因子を用いて癌細胞の糖鎖のガラクトシル化を制御し、癌細胞の悪性形質の抑制が可能かどうかを試みた。前年度に同定したマウスβ-1, 4-GalT II遺伝子のプロモーター領域と相互作用する分子を、ビオチン化したプロモーター領域を用いたアフィニティー精製により複数単離した。MALDI-TOF質量分析により、分子量28Kの分子はsplicing factor、分子量32Kの分子はCH-rich interacting match of PLAG1、分子量33Kの分子はhnRNP A2/B1、及び分子量58Kの分子はnovel zinc finger proteinと同定した。この中で、前2者はRNAのスプライシングに関わる分子であるが、後2者は分子内にzinc finger motifを有する分子であり、β-1, 4-GalT II遺伝子の発現を制御する転写因子である可能性が考えられる。一方、マウスβ-1, 4-GalT V遺伝子のプロモーター領域には複数のSp1結合部位が存在し、ヒト遺伝子の場合と同様にSp1で制御されている可能性が考えられた。Sp1は、様々な癌細胞で発現が増大することが報告されている。そこで、ヒト肺癌細胞においてRNA干渉法によりSp1の発現をノックダウンすると糖鎖のガラクトシル化が低下し、in vitroでの増殖や足場非依存的増殖能が抑制された。本研究から、転写因子の発現を制御することで糖鎖のガラクトシル化を制御し、癌細胞の悪性形質を抑制できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 転写因子Sp1の発現制御によるA549ヒト肺癌細胞の腫瘍形成の抑制2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤 武史
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] マウスβ-1, 4-ガラクトース転移酵素II遺伝子の発現を制御する転写因子の単離2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤 武史
    • 学会等名
      BMB2008(第81回日本生化学会大会・第31回日本分子生物学会年会合同大会)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 転写因子Sp1のノックダウンがヒト肺癌細胞のN-型糖鎖修飾と増殖に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤 武史
    • 学会等名
      第28回日本糖質学会年会
    • 発表場所
      つくば国際会議場(つくば)
    • 年月日
      2008-08-18
  • [学会発表] Knockdown of transcription factor Sp1 results in inhibition of A549 human lung carcinoma cell growth2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤 武史
    • 学会等名
      24th International Carbohydrate Symposium
    • 発表場所
      オスロ(ノルウエー)
    • 年月日
      2008-07-31
  • [学会発表] Suppression of A549 human lung carcinoma cell growth by knockdown of transcription factor Sp12008

    • 著者名/発表者名
      佐藤 武史
    • 学会等名
      6th International Symposium on Glycosyltransfer-ases (GlycoT2008)
    • 発表場所
      アトランタ(アメリカ合衆国)
    • 年月日
      2008-05-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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