研究概要 |
細胞浸潤能変化の解析 マトリゲルチャンバーを用いたinvasion assayによりGPR48発現量に正相関した浸潤能の亢進が細胞レベルで認められていたため,そのメカニズムを探るため,細胞運動能の変化をscratch assayで調べた。使用した恒常発現株のGPR48発現量は株間で様々であったが,運動能との相関性は見出せなかった。さらに浸潤能亢進レベルも対照群と有為差が認められなくなった。このため,細胞外マトリックス今解能などの測定も計画していたが中止とした。 GPR48トランスジェニックマウスの解析 全身性発現型トランスジェニックマウスの作成に成功し,外来性GPR48発現臓器の異なる3ラインを得た。ノックアウトマウスでは発育遅延が見られる事が他の研究グループから報告されているが,我々の作成したマウスの体重変化は対照群とほぼ同様で,外観上は癌を含めた疾患の発症は全く確認されなかった。 本来GPR48発現の少ない膵臓で発現が高いラインでは組織HE染色での観察でランゲルハンス島の肥大化が発生している可能性が見出され,さらに詳細を検証している。また尿および血液を用いた生化学的検査ではLDHの上昇が示唆され,その再確認とともにLDH上昇の原因を究明中である。
|