研究課題
基盤研究(C)
TAP-like(TAPL ; ABCB9)はリソソームに局在し、細胞質からリソソームにペプチドを運搬すると推測されているハーフタイプのATP結合カセット(ABC)輸送体であるが、その生理機能は依然として不明である。研究代表者らは、ゲノムデータベースの比較により、TAPLが単純なモデル生物である線虫C.elegansから哺乳類まで様々な種で保存されていることを明らかにした。本研究では、これらの生体内機能を解明するために、線虫のTAPLホモログであるHAF-4とHAF-9の発現部位やこれらの遺伝子欠損変異体の表現型の解析を行った。緑色蛍光蛋白質(GFP)で標識したHAF-4とHAF-9は共に、幼虫期から成虫期にかけて、非酸性ながら、リソソーム膜蛋白質(LAMP)のホモログLMP-1陽性の腸内顆粒の膜に局在していた。haf-4やhaf-9の変異体では、幼虫後期から成虫の早期にかけて腸細胞内の顆粒の欠失が認められた他、産卵数の減少、排泄周期の長期化、成長遅延の表現型を示した。更に、腸内顆粒の表現型は、GFP標識した野生型蛋白質の過剰発現でレスキューされたが、ATP非結合型のHAF-4ではレスキューされなかった。以上の結果は、輸送体HAF-4とHAF-9が、腸内顆粒の形成や他の生理的局面に関与することを示している。
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