研究課題/領域番号 |
19590080
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
別府 正敏 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60114633)
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研究分担者 |
平野 和也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80251221)
三木 雄一 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (20366420)
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キーワード | ヌクレオリン / アポトーシス / マクロファージ / ミクログリア / スカベンジャーレセプター / ベータアミロイド / 酸化ストレス / 糖鎖認識 |
研究概要 |
昨年度からの研究項目1)マクロファージ細胞表面ヌクレオリンの発現と細胞表面での存在様式、2)マクロファージ表面ヌクレオリンのスカベンジャーレセプター活性の検討、を引き続き行うとともに、新たに3)脳ミクログリア表面ヌクレオリンがアミロイドベータ(A6)を結合するかどうかの検討を行った。1)では、昨年度、細胞表面ヌクレオリンは何らかの細胞膜タンパク質に結合していることが示唆されたことをふまえ、マクロファージ細胞表面においてヌクレオリンと結合しているタンパク質を探索すべく、yeast-two hybrid法によりヌクレオリンに結合性を有するタンパク質の網羅的な検出を行った。その結果、ヌクレオリンに結合することが示唆される候補タンパク質が数種検出された。それらについて、実際、ヌクレオリンに結合するかどうかを表面プラズモン共鳴法(SPR法)で調べたところ、5種のタンパク質が結合性を有することがわかった。しかし、これらのタンパク質はいずれも膜貫通性タンパク質ではなく、細胞膜で細胞表面ヌクレオリンと結合しているかどうかは不明である。2)では、マクロファージ表面ヌクレオリンが化学修飾タンパク質や化学修飾LDLを結合するという昨年度の結果を踏まえて、実際に体内で発生するとされる酸化LDLを調製してスカベンジャーレセプター活性の有無を検討したところ、ヌクレオリンが酸化LDLを結合するとの明確な結果が得られず、今後、更なる検討が必要である。3)の課題では、まず、ヌクレオリンのリコンビナントタンパク質がA6に結合するかどうかを検討し、その結果、Aβ1-40は結合しないがAβ1-42は結合することを見いだした。また、この結合にはヌクレオリンのGARドメインが関与していることも判明した。さらに、ミクログリア表面のヌクレオリンも同様にAβ1-42を結合することを見いだした。
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