核内受容体を介さないレチノイン酸の作用機構の解明とその応用研究

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19590085
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物系薬学
• 研究機関: 星薬科大学
• 研究代表者: 高橋 典子 星薬科大学, 薬学部, 教授 (50277696)
• 研究分担者: 今井 正彦 星薬科大学, 薬学部, 助教 (40507670)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 生化学 / レチノイン酸 / リン酸化 / 翻訳後蛋白質修飾

研究概要

食品等に含まれる微量栄養元素であるビタミンAは健康を維持するため不可欠であり、また癌等の疾病に対しても抵抗性を示すため、予防・治療の観点からも注目されている。本研究ではビタミンA作用の活性本体であるレチノイン酸の未だ知られていない作用機構を明らかにする手法を確立し、レチノイン酸と癌細胞内で結合する蛋白質のひとつが転移・浸潤に関与するα-アクチニンであることを明らかにした。また、新しい視点から予防・治療薬を見出すため、本法を用いてレチノイン酸の情報伝達機構を解析した。

研究成果

• [雑誌論文] synthetic retinoid, fenretinide : Antitumor efficacy in vitro and in vivo against human prostate cancer and mechanism of action (2008)
  • 著者名/発表者名: Noriko Takahashi, Yusuke Watanabe, Yoshie Maitani, Takayasu Yamauchi, Kimio Higashiyama, and Toshihiro Ohba
  • 雑誌名: Int. J. Cancer 122 ページ: 689-698
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diphthamide (2008)
  • 著者名/発表者名: Noriko Takahashi
  • 雑誌名: Seikagaku 80 ページ: 142
  • 査読あり
• [雑誌論文] Proteins in human myeloid leukemia cell line HL60 reacting with retinoic acid monoclonal antibodies (2008)
  • 著者名/発表者名: Yoshinori Kubo, Toshihiro Ohba, and Noriko Takahashi
  • 雑誌名: J. Biochem. 144 ページ: 349-355
  • 査読あり
• [雑誌論文] Transcriptional regulation of ketone body-utilizing enzyme, acetoacetyl-CoA synthetase, by C/EBPalpha during adipocyte differentiation (2008)
  • 著者名/発表者名: Shinya Hasegawa, Masahiro Yamasaki, Tasuku Inage, Noriko Takahashi, and Tetsuya Fukui
  • 雑誌名: Biochim Biophys Acta. Jun-Jul 1779(6-7) ページ: 414-419
  • 査読あり
• [雑誌論文] Potent anticancer activities of novel aminophenol analogues against various cancer cell lines (2007)
  • 著者名/発表者名: Toshihiro Ohba, Takayasu Yamauchi, Kimio Higashiyama, and Noriko Takahashi
  • 雑誌名: Bioorg Med Chem 15(2) ページ: 847-53
  • 査読あり
• [雑誌論文] Vitamin A and proteomics for new drug development (2007)
  • 著者名/発表者名: Noriko Takahashi
  • 雑誌名: The Proceedings of the Hoshi University 49 ページ: 125133
  • 査読あり
• [学会発表] レチノイン酸による細胞分化誘導作用へのアクチニンの関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山田千穂、今井正彦、高橋典子
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] p-DDAPのマウス皮膚への優れた効果とその作用機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 藤生泰範、高橋典子
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] p57^<Kip2>欠損によるヒト胎盤栄養膜細胞の悪性化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 高橋勝彦、高橋典子
  • 学会等名: オープンリサーチセンター整備事業研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-02-26
• [学会発表] レチノイドによる細胞増殖抑制作用の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 今井正彦、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: オープンリサーチセンター整備事業研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-02-26
• [学会発表] Effects of p-DDAP on mouse skin in comparison with retinoic acid、BMB2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 藤生泰範、大庭紀宏、今井正彦、高橋典子
  • 学会等名: 日本生化学会第81回・日本分子生物学会合同大会31回
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20081209-12
• [学会発表] Development of a sensitive detection method of retinoic acid-binding proteins in HL60 cells、BMB2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 亀岡優梨、久保義典、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 日本生化学会第81回・日本分子生物学会合同大会31回
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20081209-12
• [学会発表] Effects of retinoic acid on expression of nuclear protein kinase A、BMB2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 吉野谷友宏、大庭紀宏、高橋勝彦、高橋典子
  • 学会等名: 日本生化学会第81回・日本分子生物学会合同大会31回
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20081209-12
• [学会発表] Butyric acid action in differentiation of human embryonal carcinoma cells、BMB2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 今井正彦、伊藤友里、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 日本生化学会第81回・日本分子生物学会合同大会31回
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20081209-12
• [学会発表] p57Kip2 is a 1a,25-dihydroxy vitamin-D3 signaling mediator in osteoblastic maturation、BMB2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋勝彦、天野均、浦野友彦、高橋典子、井上聡
  • 学会等名: 日本生化学会第81回・日本分子生物学会合同大会31回
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20081209-12
• [学会発表] レチノイル化タンパク質からレチノイン酸の放出 (2008)
  • 著者名/発表者名: 安西智子、高橋勝彦、久保義典、高橋典子
  • 学会等名: 日本レチノイド研究会、第19回学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20081123-24
• [学会発表] 新規レチノイドp-DDAPのヒト神経芽腫由来細胞に対する細胞増殖抑制作用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 江川留美、今井正彦、古賀晋一郎、今泉益栄、高橋典子
  • 学会等名: 日本レチノイド研究会、第19回学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20081123-24
• [学会発表] CDKインヒビターp57^<Kip2>が絨毛細胞のDHAによる脂肪滴蓄積に及ぼす影響の解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋勝彦, 金山尚裕, 板部洋之, 高橋典子
  • 学会等名: 第16回日本胎盤学会学術集会
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 20081123-24
• [学会発表] 糖尿病モデルラットにおける体内レチノイド代謝の変化、フォーラム2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 古川いずみ、高橋勝彦、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 20081017-18
• [学会発表] 血中レチノール量を低下させないレチノイド誘導体、 : 各種癌に対する抗腫瘍作用とその作用機構、フォーラム2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋典子、江川留美、今井正彦、大庭紀宏
  • 学会等名: 衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 20081017-18
• [学会発表] CDKインヒビターp57Kip2の欠損がもたらす妊娠性高血圧症候群の解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋勝彦、金山尚裕、原俊太郎、板部洋之、高橋典子
  • 学会等名: 第9回Pharmaco-Hematologyシンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20080620-21
• [学会発表] Biological evaluation of new derivatives of N-(4-hydroxy phenyl)retinamide(fenretinide) (2008)
  • 著者名/発表者名: Noriko Takahashi, Yusuke Watanabe, and Toshihiro Ohba
  • 学会等名: The FASEB Summer Research Conference, "Retinoid"
  • 発表場所: New Haven, CT, USA
  • 年月日: 20080615-22
• [学会発表] p-DDAPの神経芽腫に対する抗腫瘍作用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 江川留美、大庭紀宏、古賀晋一郎、今泉益栄、高橋典子
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-29
• [学会発表] レチノイン酸によるin vitroタンパク質修飾反応におけるSH 還元剤の影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 安西智子、大庭紀宏、久保義典、和田将志、高橋典子
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-29
• [学会発表] レチノイドの抗酸化作用と抗癌作用の関連性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: オープンリサーチセンター整備事業研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-02-28
• [学会発表] 臓器内タンパク質へのレチノイル-CoAの転移 (2008)
  • 著者名/発表者名: 安西智子、大庭紀宏、久保義典、高橋典子
  • 学会等名: オープンリサーチセンター整備事業研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-02-28
• [学会発表] Anticancer activity of novel compounds derived from of N-(4-hydroxyphenyl)retinamide against prostate cancer and mechanism of action、BMB2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 大庭紀宏、渡邊祐介、高橋典子
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会、合同大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071211-15
• [学会発表] Effects of retinoic acid on farnesylation of Ras proteins、BMB2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 深澤悠太、内藤まどか、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071211-15
• [学会発表] Involvementof α-actinine into retinoic acid action、BMB2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 山田千穂、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071211-15
• [学会発表] Retinoylation and extracellular matrix degradative enzyme in mouse skin、BMB2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 藤生泰範、高須真吾、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071211-15
• [学会発表] ブチレートによるヒト胚性腫瘍細胞の分化 (2007)
  • 著者名/発表者名: 伊藤友里、江川留美、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 日本レチノイド研究会、第18回学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20071123-24
• [学会発表] ヒストンのアセチル化に及ぼすレチノイン酸の影響 (2007)
  • 著者名/発表者名: 中曽根絢子、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 日本レチノイド研究会、第18回学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20071123-24
• [学会発表] レチノイドの構造と抗酸化活性 (2007)
  • 著者名/発表者名: 高橋典子、大庭紀宏
  • 学会等名: 第35回構造活性相関シンポジウム
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20071115-16
• [学会発表] 糖尿病ラットの血中ビタミンA濃度、フォーラム2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 高橋典子、古川いずみ、大庭紀宏
  • 学会等名: 衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20071101-02
• [学会発表] 二段階反応で進行するビタミンA酸による蛋白質修飾(レチノイレーション)、フォーラム2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 大庭紀宏、安西智子、久保義典、高橋典子
  • 学会等名: 衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20071101-02
• [学会発表] Examination of two-step protein modification by retinoic acid(retinoylation) (2007)
  • 著者名/発表者名: Noriko Takahashi, Yoshinori Kubo, and Toshihiro Ohba
  • 学会等名: Experimental Biology
  • 発表場所: ASBMB Annual Meeting, Washington D. C. USA
  • 年月日: 20070428-0502
• [学会発表] 前骨髄性白血病細胞HL60における分化時のヒストンのアセチル化 (2007)
  • 著者名/発表者名: 中曽根絢子、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 第51回日本薬学会関東支部大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2007-10-06
• [学会発表] ブチレートとレチノイン酸によるヒト胚性腫瘍細胞の分化 (2007)
  • 著者名/発表者名: 伊藤友里、大庭紀宏、高橋典子
  • 学会等名: 第51回日本薬学会関東支部大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2007-10-06