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2008 年度 実績報告書

CLSPによるアデノウイルス感染制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590096
研究機関独立行政法人医薬基盤研究所

研究代表者

川端 健二  独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, サブプロジェクトリーダー (50356234)

研究分担者 櫻井 文教  独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 研究員 (70370939)
キーワード分子生物学 / 遺伝子治療 / アデノウイルス
研究概要

マウスCLSP(mCLSP;CAR-like soluble protein)は390アミノ酸から成っており、3つの免疫グロブリン様(IgV)領域を有する可溶性タンパク質であった。これら3つのIgV領域は、Ad受容体であるCARのIgV領域と強い相同性を示した。そこで、CAR陽性SK HEP-1細胞にmCLSPを安定発現させ、その後Adベクターを作用させた結果、Adベクターの感染が親株と比較し著明に阻害された。また、遺伝子組換えmCLSPも同様にSK HEP-1細胞に対するAdベクターの感染を有意に阻害した。一方、CAR陰子組換えmCLSPも同様にSK HEP-1細胞に対するAdベクターの感染を有意に阻害した。一方、CAR陰性NIH3T3細胞にmCLSPを発現させると、Adベクターの感染効率が親株と比較し上昇した。したがって、CLSPはCAR発現の有無によりAdの感染を正または負に制御するタンパク質であることが明らかとなった。また、ELISA法によりCLSPはAdベクターと直接結合することが示された。CAR陰性細胞においては、アデノウイルスベクターがCLSPと結合することによりエンドサイトーシスなどのメカニズムにより低い効率ながら感染すると考えられる。一方、CAR陽性細胞においては、CLSPと結合したアデノウイルスベクターは低効率で感染するルートも存在するが、それ以上にメインの感染ルートであるCARを介する経路がCLSPにより遮断されるため、トータルでみると感染効率が低下するものと考えられた。さらに、ウェスタンブロットの結果、CLSPは血清中にも存在することが明らかとなった。以上より、CLSPはウイルス感染防御に関与する新規タンパク質である可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Adenovirus serotype 35 vector-mediated transduction following direct administration into organs of nonhuman primates2009

    • 著者名/発表者名
      Sakurai F, Nakamura SI, Akitomo K, Shibata H, Terao K, Kawabata K, Hayakawa T, Mizuguchi H.
    • 雑誌名

      Gene Therapy 16

      ページ: 297-302

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transduction properties of adenovirus serotype 35 vectors after intravenous administration into nonhuman primates2008

    • 著者名/発表者名
      Sakurai F, Nakamura S, Akitomo K, Shibata H, Terao K, Kawabata K, Hayakawa T, Mizuguchi H.
    • 雑誌名

      Molecular Therapy 16

      ページ: 726-733

    • 査読あり
  • [学会発表] Reduction of vector-induced innate immunity by SOCS1-expressing adenovirus vector2008

    • 著者名/発表者名
      川端健二
    • 学会等名
      日本遺伝子治療学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-06-12
  • [学会発表] SOCS1-expressing adenovirus vectors can suppress vector-induced innate immunity2008

    • 著者名/発表者名
      Kawabata K
    • 学会等名
      American Society of Gene Therapy
    • 発表場所
      Boston (USA)
    • 年月日
      2008-05-31
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibio.go.jp/Proj3HP/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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