マウスCLSP (mCLSP; CAR-like soluble protein) は390アミノ酸から成っており、3つの免疫グロブリン様(IgV)領域を有する可溶性タンパク質であった。これら3つのIgV領域は、Ad受容体であるCARのIgV領域と強い相同性を示した。そこで、CAR陽性細胞株にmCLSPを安定発現させ、その後アデノウイルス(Ad)ベクターを作用させた結果、Adベクターの感染が親株と比較し著明に阻害された。また、遺伝子組換えmCLSPも同様にAdベクターの感染を有意に阻害した。一方、CAR陰性細胞株にmCLSPを発現させると、Adベクターの感染効率が親株と比較し上昇した。したがって、CLSPはCAR発現の有無によりAdの感染を正または負に制御するタンパク質であることが明らかとなった。
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