研究課題
これまでに、マクロスフェライド類とエポチロン類の新規ハイブリッド化合物の設計と合成を行い、その一部が天然型マクロスフェライドを上回るアポトーシス誘導活性を示すことを見出している。本年は、更に高活性なマクロスフェライド誘導体の探索を目的として、16員環マクロスフェライド骨格の一部を窒素原子に置き換えた「ラクタムアナログ」の設計と合成を行った。1. マクロスフェライドのラクタム骨格構築法の確立16員環マクロスフェライド骨格は3つのエステル結合を含んでいるが、その酸素原子のうちの1つを窒素原子とした骨格(アザ-マクロスフェライド)の構築法を検討した。その結果、従来通り閉環メタセシス法を応用することで、収率よく骨格構築が可能であることが明らかとなった。これにより、6種のアザ-マクロスフェライド類の合成を達成した。2. ラクタムアナログに対するチアゾール側鎖の導入エポチロンの有するチアゾール側鎖導入が活性増強に有効であることを踏まえ、上記ラクタム骨格に対するチアゾール側鎖導入の検討を行った。チアゾール環を含むキラル素子を活用することにより、閉環メタセシスを応用することで3種の誘導体合成を達成した。3. ラクタムアナログのアポトーシス誘導活性評価これまでに合成されたアザ-マクロスフェライド類の、アポトーシス誘導活性評価を行った。その結果、ヒトリンパ腫細胞(U937)を用いたスクリーニングでいくつかの誘導体に活性が認められ、特にN-ベンジル誘導体に強力な活性を見出した。
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Heterocycles 77
ページ: 483-492
Chemico Biological Interactions 177
ページ: 218-226