研究概要 |
Pummerer転位反応の基質となるスルホキシド4は3,5-0-(1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)(TIPDS)-4-チオフラノイドグリカール(1)から合成した。即ち、N-ヨードコハク酸イミド(NIS)の存在下、1とシリル化したチミンとのグリコシル化反応を行い、グリコシル化成績体2を得た。化合物2はヨウ素置換基のラジカル還元により3へと変換した。化合物3を塩化メチレン中、m-CPBAで処理したところ、(R)-オキシド(4a)と(S)-オキシド(4b)がそれぞれ15%ならびに58%で得られた。主成績体として得られた4aを無水酢酸中、110℃で加熱したところ、4'位の位置選択的な水素原子の引抜きを伴うPummerer反応が進行し、4'-アセトキシ体5aと5bのジアステレオマーの混合物が74%で得られた。 4'-アセトキシ体5をルイス酸の存在下、有機シリコン試剤と反応させることにより、目的とする4'-炭素置換-4'-チオチミジン6を得ることができた。また、4'-アセトキシ体5とEt_2AlSnBu_3との反応により得られる4'-トリブチルスタニル体6をリチウムースズ交換反応により、4'-リチオ体7とし、引き続く炭素求電子剤との反応を利用することにより、6を得ることができた。
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