研究課題
生体が酸化的ストレスにさらされる場合、外的要因や内的要因にわけられる。前者は放射線や紫外線、有害物質などであり、後者は激しい運動などによる酸素消費の増大や炎症、感染症などである。このような場合、酸化的ストレスとして種々の活性酸素や活性窒素が生体中に生成する。それらは、恒常性を保つため生体に本来備えられている制御システムにより除去されるが、それが不完全だと種々の障害が生じる。本研究では、酸化ストレス要因として、スーパーオキシドやヒドロキシルラジカルなどの活性酸素をとりあげ、それらに対する消去化合物を探索した。消去能はDMPOを用いるESR-スピントラッピング法などで評価した。またポリフェノール類であるレスベラトロールのラジカル消去機構の解明を行った。合成化合物として、トロロックスとビタミンC誘導体をエステIL結合した化合物(I)、カフェイン酸にシステアミンをアミド結合させた化合物(II)、α-リボ酸にビタミンC誘導体を土ステル結合した化合物(III)を合成し、IC50を求めた(対照としてトロロックス:02-に対して、0.4mM、OH・に対して、1mM>)、I:1.72mM、0.08mM、II:10mM>、0.3mM、III:0.008mM、0.03mMであった。また、レスベラトロールのラジカル消去機構については、ガルビノキシラジカルとの反応を分光学的に解析した。レスベラトロールはガルビノキシラジカルを消去するが、この反応において、マグネシウムイオンを添加すると、その消去速度は著しく増加した。これは、レスベラトロールから1電子が移動したガルビノキシイオンをマグネシウムイオンが安定化するためであり、それに続くプロトン移動によりラジカルを消去する電子移動であることを明らかにした。
すべて 2007
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