デノボ設計によるノンセコ型ビタミンDレセプターリガンドの創製

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19590115
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 創薬化学
• 研究機関: 国立医薬品食品衛生研究所
• 研究代表者: 栗原 正明 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部 (20205206)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: デノボ設計 / ビタミンDレセプター / ノンセコ型

研究概要

活性型ビタミンD3 (1α, 2-ジヒドロキシビタミンD3 ; 1α,25(OH)2D3)は核内受容体の一つであるビタミンD受容体(Vitamin D Receptor; VDR)と特異的に結合し、標的遺伝子群の発現を転写レベルで制御している。その生理活性は、カルシウム調節、細胞の分化誘導作用、免疫調節作用などと多岐にわたる。ビタミンD3 誘導体などのVDRリガンドは骨粗鬆症や抗ガン剤などとして期待されており、VDRは骨粗鬆症治療薬や抗ガン剤をはじめとした医薬品開発のターゲット分子となっている。1999年に報告された非セコステロイド型リガンドである LG190178はラセミ体として報告され、4つ存在する立体異性体の活性についての詳細は不明であった。そこで、4つの立体異性体の合成を行い、転写活性を調べたところ、(2S,2'R)体 ; YR301のみが強い活性を有することを見いだした。さらにYR301とVDR の複合体のX線構造解析に成功した。それによりYR301 の詳細な結合様式が明らかとなった。また、コンピュータによるモデリングの妥当性も証明できた

研究成果

• [雑誌論文] Isolation and structural elucidation of cyclopentynafil and N-octylnortadalafil found in a dietary supplement (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Hasegawa, K. Takahashi, M. Saijo, T. Ishii, T. Nagata, M. Kurihara, Y. Haishima, Y. Goda, N. Kawahara
  • 雑誌名: Chem. Pharm. Bull. 57 ページ: 185-189
  • 査読あり
• [雑誌論文] Design and Screening Strategies for α-Glucosidase Inhibitors Based on Enzymological Information (2009)
  • 著者名/発表者名: W. Hakamata, M. Kurihara, H. Okuda, T. Nishio, T. Oku
  • 雑誌名: Curr. Top. Med. Chem. 9 ページ: 3-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] Design, Synthesis, and Biological Activity of Boronic acid-Based Histone Deacetylase Inhibitors (2009)
  • 著者名/発表者名: N. Suzuki, T Suzuki, Y. Ota, T. Nakano, M. Kurihara, H. Okuda, T. Yamori, H. Tsumoto, H. Nakagawa, N. Miyata
  • 雑誌名: J. Med. Chem. 52 ページ: 2909-2922
  • 査読あり
• [雑誌論文] HelicalScrew Directions of Diastereo- isomeric Cyclic α-Amino Acid Oligomers (2009)
  • 著者名/発表者名: Nagano, M., Tanaka, M., Doi, M., Demizu, Y., Kurihara, M., Suemune, H.
  • 雑誌名: Org. Lett. 11 ページ: 1135-1137
  • 査読あり
• [雑誌論文] (2S,2'R)-Analogue of LG190178 is a major active isomer (2008)
  • 著者名/発表者名: W. Hakamata, Y. Sato, H. Okuda, S. Honzawa, N. Saito, S. Kishimoto, A. Yamamoto, T. Sugiura, A. Kittaka, M. KuriharaW. Hakamata, Y. Sato, H. Okuda, S. Honzawa, N. Saito, S. Kishimoto, A. Yamamoto, T. Sugiura, A. Kittaka, M. Kurihara
  • 雑誌名: Bioorg. Med. Chem. Lett. 18 ページ: 120-123
  • 査読あり
• [雑誌論文] The 2α-(3-hydroxypropyl) group as an active motif in vitamin D3 analogues as agonists of the mutant vitamin D receptor (Arg274Leu) (2008)
  • 著者名/発表者名: S. Honzawa, Y. Yamamoto, A. Yamashita, T. Sugiura, M. Kurihara, M. A. Arai, S. Kato, A. Kittaka
  • 雑誌名: Bioorg. Med. Chem. 16 ページ: 3002-3024
  • 査読あり
• [雑誌論文] Structure of the ligand-binding domain of rat VDR in complex with a nonsecosteroidal vitamin D3 analogue YR301 (2008)
  • 著者名/発表者名: S. Kakuda, K. Okada, H. Eguchi, K. Takenouchi, W. Hakamata, M. Kurihara, M. Takimoto-Kamimura
  • 雑誌名: Acta Crystallogr. F 64 ページ: 970-973
  • 査読あり
• [学会発表] ノンセコステロイド型VDRリガンドの設計と合成 (2009)
  • 著者名/発表者名: 岩井すみれ, 金子文也, 佐藤由紀子, 出水庸介, 奥田晴宏, 栗原正明
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] ノンセコ型リガンドとVDR の結合様式 (2009)
  • 著者名/発表者名: 金子文也, 岩井すみれ, 佐藤由紀子, 出水庸介, 奥田晴宏, 角田真二, 岡田和久, 江口広志, 上村みどり, 高木健一郎, 竹之内一弥, 栗原正明
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] VDR及び変異VDRに作用するノンセコ型リガンドの設計と合成 (2008)
  • 著者名/発表者名: 金子文也、佐藤由紀子、岩井すみれ、本澤 忍、山下純、橘高敦史、加藤茂明、奥田晴宏、栗原正明
  • 学会等名: 第27回メディシナルケミストリーシンポジウム
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20081226-28
• [学会発表] ビタミンDレセプターノンセコ型リガンドの設計と合成 (2008)
  • 著者名/発表者名: 金子文也, 佐藤由紀子, 袴田航, 奥田晴宏, 本澤忍, 山下純, 杉浦隆之, 橘高敦史, 加藤茂明, 栗原正明
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] ノンセコ型 VDR リガンドの設計と合成 (2007)
  • 著者名/発表者名: 佐藤由紀子、金子文也、袴田 航、本澤 忍、山下 純、橘高敦史、加藤茂明、奥田晴宏
  • 学会等名: 第26 回メディシナルケミストリーシンポジウム
  • 発表場所: 相模原
  • 年月日: 20071128-30