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2007 年度 実績報告書

メタロチオネインが化学物質・金属アレルギーの増悪化に関与するメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19590120
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

永瀬 久光  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40141395)

研究分担者 佐藤 雅彦  愛知学院大学, 薬学部, 教授 (20256390)
キーワードメタロチオネイン / アレルギー / 金属アレルギー / 接触性皮膚炎 / 増悪化
研究概要

現在、日本人のアレルギー患者数は増加し、遅延型アレルギーである金属アレルギーなどの接触性皮膚炎に関しても増加傾向にあると言われている。一方、メタロチオネイン(MT)は、重金属など様々な因子により誘導され、重金属の毒性軽減などの生体防御に関わるタンパク質であり、免疫応答にも関与しているとの報告もある。本研究では、アレルギー性の接触性皮膚炎に及ぼすMTの影響に着目し、MT-I/IIノックアウト(KO)マウス及びその野生型(WT)マウスを用いて、比較検討を行った。
2,4-Dinitrofluorobenzene(DNFB)単回塗布実験では、耳介塗布30時間後をピークとし、WTマウスの方がKOマウスよりも耳介腫脹反応が顕著に現れた。DNFB反復塗布実験では、耳介への塗布回数を重ねるにつれ、即時相および遅延相ともにWTマウスの方がKOマウスよりも耳介腫脹は大きく現れるようになった。これらの結果はMTが遅延型アレルギーに関して何らかの影響を与えることを示している。また、抗原特異的T細胞増殖試験において、WTマウスの方がKOマウスに比べ3H-チミジン取り込み量が多くなった。炎症部位である耳介における病理組織学的評価では、HE染色により、単回及び反復塗布実験のどちらもリンパ球や好中球等の炎症性細胞の浸潤が観察され、その面積当たりの細胞数は、KOマウスの方がWTマウスに比べ有意に抑制された。
以上のことから、MTは、アレルギー性接触性皮膚炎を増悪化するのではなく、MTの欠損により抗原特異的T細胞の増殖が抑制されたために、炎症性サイトカイン等の産生量が減少し、耳介組織において炎症性細胞の浸潤量が抑制され、その結果、真皮の浮腫や表皮の炎症が抑えられ、耳介腫脹反応が抑制されたものと推測される。MTは、アレルギー性接触性皮膚炎における免疫応答に深く関与していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] メタロチオネインノックアウトマウスにおけるアレルギー性接触性皮膚炎抑制機構のメカニズムに関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      臼田春樹、河合沙友里、佐藤雅彦、永瀬久光
    • 学会等名
      フォーラム2007衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20071101-02

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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