研究課題/領域番号 |
19590120
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
永瀬 久光 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40141395)
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研究分担者 |
佐藤 雅彦 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (20256390)
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キーワード | メタロチオネイン / アレルギー / ジニトロフルオロベンゼン / メタロチオネインノックアウトマウス / T細胞サブタイプ / 接触性皮膚炎 |
研究概要 |
申請者らはメタロチオネイン(MT)がアレルギー性接触性皮膚炎の増悪化に関与することを見いだしたことから、そのメカニズム解明を目的とし、当該年度では、MTの耳介腫脹への関与についてMT-I/IIノックアウト(KO)マウスを用いて抗原曝露後の免疫細胞の分化および増殖に対するMTの影響を検討した。1)MTが抗原特異的T細胞増殖性に及ぼす影響をDNFB(dinitronuorobenzene)を抗原としてKOマウスおよび野生型(WT)マウスの腹部に感作し、鼠径部リンパ節を採取し細胞に対して抗原を加え2日間培養した。その後H^3-チミジン取り込みを測定し増殖性を評価した。T細胞の増殖性にはWTマウスとKOマウス間で有意な差は認められなかった。2)MTが感作リンパ節細胞移入による耳介腫脹反応に及ぼす影響をマウスの腹部に感作し、鼠径部リンパ節より採取した細胞を無感作のKOマウスまたはWTマウスの耳介に注射し、抗原を塗布して耳介腫脹反応を惹起し耳介の厚さで評価した。感作リンパ節細胞の移入実験では、レシピエントの種類を問わず、感作KOマウスのリンパ節を移入した群に比べ、WTマウスのリンパ節細胞を移入した群において反応惹起後の耳介腫脹が有意に増加したことから、MTはin vivoにおける抗原特異的T細胞の働きに促進的に関与している可能性が示唆された。3)T細胞サブタイプ解析を感作および無感作マウスのリンパ節細胞について行ったところ、CD25^+細胞数には両マウス間で有意な変化が認められなかったものの、CD4^+細胞数は無感作群、感作群ともにKOマウスに比べてWTマウスの方が有意に減少した。逆に、CD8^+細胞数およびCD69^+細胞数はWTマウスで有意に増加した。以上の結果より、MTはT細胞集団のサブタイプバランスに影響を与え、CD8^+の分化を促進することで耳介腫脹反応に対する感受性を変化させる可能性が示唆された。
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