重要な生薬の1つの甘草の基原植物であるGlycyrrhiza属植物における多様性を明らかにするため、世界各地でこれまで採集してきたGlycyrrhiza属植物の遺伝子型と成分型を比較解析して両者の対応関係を明らかにするとともに、中国の甘草産地の現地調査を中国の研究者と共に行った。その結果、代表的なGlycyrrhiza属植物であるG.uralensisは中国型とカザフスタン型の2種類のグループに分類され、成分型と遺伝子型によりそれぞれ分類したグループがほぼ一致した。また、人工気象器内での筒栽培により、甘味成分であるグリチルリチン酸を高生産するG.uralensis系統(T628 and 01A07-1)を選抜するとともに、グリチルリチン酸を含有せず、替わりにグリチルリチン酸とは糖鎖構造の異なる新規サポニンを生産するG.uralensis系統(83-555)を見いだした。
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