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2009 年度 実績報告書

結核菌生菌の宿主細胞傷害活性におけるインターロイキン1関連シグナル調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590122
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

瀧井 猛将  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80244573)

キーワード結核菌 / ワクチン / サイトカイン / 病原性
研究概要

結核ワクチンBCG亜株による自然免疫誘導能を測定する手段として感染A549細胞からのIL-6、 IIL-8、 P-10、およびTNFαの産生量の産生量を測定したところ、IL-8についてConnaught株ではその2.5倍(約1,000pg/ml)、 Tokyo株、およびMoreau株では3倍程度(約1,300pg/ml)のIL-8産生誘導がみられた。他のサイトカンでは亜株間で差が見られなかった。IL-1βの産生量についてはPasteur株(約100pg/ml)、Tokyo株(約75pg/ml)、およびMoreau株(約60pg/ml)で産生量が高かった。本現象は、BCG感染マウス初代培養骨髄細胞でも類似した結果が得られた。抗酸菌の細胞壁成分は脂質に富んでおり、自然免疫系に関与しているレセプター、toll like receptors(TLRs)のリガンドとであることがよく知られている。そのシグナル伝達様式はIL-1レセプターからのものと共有していることが知られている。病原性の異なる抗酸菌(結核菌とBCG)間で、TLRからのNF-κBのレポーター遺伝子の活性化を調べたところ、結核菌に強い誘導活性が認められたことから、結核菌の菌体成分中に病原性を強く引き起こすことが推察された。結核菌生菌によるNF-κBの誘導は死菌にくらべてはるかに強く、菌体成分の違いだけでは説明出来ないことが明らかとなった。また、この現象は生菌特異的な細胞傷害活性とよく相関していたことから、本現象は結核菌の病原性と深く関係していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of new sugar derivatives and evaluation of their antibacterial activities against Mycobacterium tuberculosis2009

    • 著者名/発表者名
      Horita Y, Takii T, Chiba T, Kuroishi R, Maeda Y, Kurono Y, Inagaki E, Nishimura K, Yamamoto Y, Abe C, Mori M, Onozaki K.
    • 雑誌名

      Bioorg Med Chem Lett. 19(22)

      ページ: 6313-6316

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparable studies of immunostimulating activities in vitro among Mycobacterium bovis bacillus Calmette-Guerin(BCG)substrains2009

    • 著者名/発表者名
      Hayashi D, Takii T, Fujiwara N, Fujita Y, Yano I, Yamamoto S, Kondo M, Yasuda E, Inagaki E, Kanai K, Fujiwara A, Kawarazaki A, Chiba T, Onozaki K.
    • 雑誌名

      FEMS Immunol Med Microbiol. 56(2)

      ページ: 116-128

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Separation and molecular characterization of mycolic acid from the cell wall skeleton of Mycobacterium bovis BCG Tokyo 172(SMP-105)and BCG substrains by normal-phase high performance liquid chromatography and liquid chromatography/mass spectrometry2009

    • 著者名/発表者名
      Uenishi Y, Takii T, Yano I, Sunagawa M.
    • 雑誌名

      J Microbiol Methods. 77(3)

      ページ: 320-322

    • 査読あり
  • [図書] 化学療法学 病原微生物・がんと戦う2009

    • 著者名/発表者名
      田中康夫, 他
    • 総ページ数
      315
    • 出版者
      南江堂
  • [備考]

    • URL

      http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/esk/index.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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