農作物への農薬の取り込みに及ぼすスフェロゾームの影響についての検討 農家で使用されている土壌を採取し、栽培ハウスの中で試験を行った。農薬はキュウリの栽培によく使用されているイミダクロプリドを使用した。ポリポットにキュウリ苗(品種:鈴成四葉)を定植し、土壌表面にスフェロゾーム(0.5g/株)を撒く。イミダクロプリド粒剤(2g/株)はスフェロゾームを撒いた所に処理する。処理した後3日、7日、14日、21目後にキュウリの地上部を切り取り、イミダクロプリドの含量を測定(HPLC法)した、実験系は3系列で行った。A:イミダクロプリド粒剤(2g/株)+スフェロゾーム(0.5g/株)、B:イミダクロプリド粒剤(2g/株)、C:無処理 ワタアブラムシ防除効果の評価方法は継代飼育しているワタアブラムシをキュウリの葉の上に置き、3日、7日、14日、21日後に株全体の成幼虫数を数える。無処理のキュウリの葉で生き残ったワタアブラム.シの数から補正密度指数を出し、農薬の防除効果を評価する。結果は、キュウリ中のイミダクロプリド含量は農薬のみを適用した場合は3日目に、8.1μg/gに達し、以降急激に減少し、14日目に2.4μg/gとなった。これに対し、スフェロゾームを同時に適用した場合には3から14日目の期間間中1.5〜1.6μg/gを維持した。ワタアブラムシ防除効果は、スフェロゾームを適用した場合もしていない場合も同等であった。これらの結果よりスフェロゾームはイミダクロプリドのキュウリへの急激な吸収を抑え、除放効果を持つと考えられる。
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