研究課題/領域番号 |
19590144
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
木村 聰城郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10025710)
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研究分担者 |
檜垣 和孝 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60284080)
大河原 賢一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30291470)
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キーワード | 経口吸収 / 初回通過効果 / P-glycoprotein / Cytochrome P450 3A / 難水溶性薬物 / 胃排出 / 小腸内移行性 / in vivo溶解挙動 |
研究概要 |
(1)Quinidineの初回通過効果に対するP-gp及びCYP3Aの寄与の定量的評価:対照ラットを含めて、異なる4つのレベルでP-gp、CYP3Aを発現するラット群を用い、quinidineの初回通過効果に対する小腸及び肝臓の寄与を定量的に評価した。その結果、P-gp、CYP3Aの発現レベルに関わらず、quinidineの小腸からの吸収クリアランスは、ほぼ一定であることが示された。一方、肝抽出率は、in vitroで評価したtestosteroneの肝代謝固有クリアランスと良好な相関性を示した。また、小腸抽出率も同様に評価したtestosteroneの小腸固有クリアランス、またrhodamine123の透過より算出したin vitro P-gp活性との間に有意な相関性が見出された。得られた結果を重回帰分析したところ、qunidineの初回通過効果における肝臓、小腸の寄与は、ほぼ2対1であることが、また、小腸における初回通過効果におけるP-gpとCYP3Aの寄与については、CYP3Aの寄与が大きいものと推定された、 (2)難水溶性固形製剤のin vivo溶解挙動の解析と吸収動態予測への応用:Griseofulvinと同時に経口投与したtheophyllineの吸収動態より評価した胃排出、およびsulfasalazineを利用して算出した盲腸到達時間、さらにはガラスビーズを利用して求めた固形製剤の消化管内移行速度定数を利用し、gastrointestinal-transit-absorption model (GITA model)を用いて、griseofulvinのin vivo溶解速度定数の算出、さらには得られた結果を利用することにより、各ラットにおける経口投与後のgriseofulvin血漿中濃度推移の描写を試みた.その結果、大きな個体差を示すgriseofulvinの吸収挙動を良好に描写することに成功した。 (3)輪送担体を介して吸収される薬物の吸収挙動の予測:輸送担体を介して吸収される薬物の吸収挙動の解析と予測をGITA modelを用いてすすめるために、オリゴペプチドの輸送系であるPEPT1を対象とし、PEPT1の代表的な基質であるcophalexinの吸収について検討を行ったところ、cephalexinの吸収挙動を良好に描写することに成功したほか、cephalexinの吸収に対するPEPT1、受動拡散の寄与を定量的に評価することに成功した。
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