ヒト洗浄赤血球および赤血球膜小胞(IOVs, ROVs)を用いた研究から、(1) 臨床で観察されるバルプロ酸-カルバペネム系抗生物質の相互作用の分子メカニズムとして、異物排出トランスポーターMRP4が関与していること、(2) リバビリンの副作用の溶血性貧血の原因である赤血球内移行にはヌクレオシドトランスポーターhENT1が関与し、その活性調節因子が赤血球内に存在する可能性が示唆された。これらの研究成果は、赤血球における薬物相互作用・有害反応の回避、並びに新たな薬物治療法の開発へと繋がることが期待される。
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