目的はわれわれの見出したアポE2遺伝子、高中性脂肪血症/高レムナント血症が糖尿病性腎症を増悪させる機序を、また薬物の効果を検討することである。アポE2遺伝型を有する糖尿病患者由来レムナントリポ蛋白が培養ヒト腎メサンギウム細胞に対してTGF-βおよび細胞外基質のmRNA を増加させることを明らかにした。さらにPPARαのリガンドであるフィブラート薬がレムナントリポ蛋白によるTGF-βおよび細胞外基質のmRNAの増加を抑制することが判明した。フィブラート薬は糖尿病患者において血中レムナントを低下させ、また腎メサンギウム細胞に直接作用して糖尿病性腎症を防御する。
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