質量分析法を基盤とする臨床化学の新展開

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19590165
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 近畿大学
• 研究代表者: 池川 繁男 近畿大学, 薬学部, 教授 (90111301)
• 研究分担者: 三田村 邦子 近畿大学, 薬学部, 講師 (70242526)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: マススペクトロメトリー / エレクトロスプレーイオン化 / オキシステロール / テトラヒドロコルチコステロイド / 胆汁酸 / グルタチオン / グルクロニド / サルフェー

研究概要

病因・病態を化学の目で把握・理解し、適切な薬物療法を設定する上で、組織の変化や血液、尿などの体液中に含まれる成分の信頼度の高い測定法の確立が強く求められる。本研究では、最新の質量分析法を基盤とする胆汁酸、ステロイドホルモン、オキシステロールなどの硫酸、グルクロン酸との抱合体の体内動態解析法を構築し、本法によって新規代謝排泄経路の存在を世界に先駆けて実証するとともに、内分泌・代謝疾患の診断のみならず病態解析にも有用なことを示した。

研究成果

• [雑誌論文] Formation and biliary excretion of glutathione conjugates of bile acids in the rat as shown by liquid chromatography/ electrospray ionization-linear ion trap mass spectrometry (2009)
  • 著者名/発表者名: Kuniko Mitamura, Saai Watanabe, Yutaka Mitsumoto, Toshihiro Sakai, Mitsuru Sogabe, Tateaki Wakamiya, Shigeo Ikegawa
  • 雑誌名: Anal. Biochem. 384 ページ: 224-230
  • 査読あり
• [雑誌論文] Shoujiro Ogawa, Genta Kakiyama, Akina Muto, Atsuko Hosoda, Kuniko Mitamura, Shigeo Ikegawa, Alan F. Hofmann, Takashi Iida (2009)
  • 著者名/発表者名: A facil Synthesis of C-24 and C-25 oxysterols by in situ generated ethyl (trifluoromethyl) dioxirane
  • 雑誌名: Steroids 74 ページ: 81-87
  • 査読あり
• [雑誌論文] Production and characterization of monoclonal antibody for capture of proteins tagged with lithocholic acid (2008)
  • 著者名/発表者名: Shigeo Ikegawa, Testushi Yamamoto, Takahiro Miyashita, Rika Okihara, Shunji Ishiwata, Toshihiro Sakai, Chong Rung Hwa, Masako Maeda, Alan F. Hofmann, Kuniko Mitamura
  • 雑誌名: Anal. Sci. 24 ページ: 1475-1480
  • 査読あり
• [雑誌論文] Immunoprecipitation and MALDI-MS identification of lithocholic acid-tagged proteins in liver of bile duct-ligated rats (2008)
  • 著者名/発表者名: Shigeo Ikegawa, Tesushi Yamamoto, Hiromi Ito, Shunji Ishiwata, Toshihiro Sakai, Kuniko Mitamura, Masako Maeda
  • 雑誌名: J. Lipid Res. 49 ページ: 2463-2473
  • 査読あり
• [雑誌論文] コレステロール硫酸転位酵素とコレステロール代謝 (2008)
  • 著者名/発表者名: 布田博敏, 三田村邦子, 池川繁男
  • 雑誌名: 臨床化学 37 ページ: 148-160
  • 査読あり
• [雑誌論文] Isolation and chemical synthesis of a major, novel biliary bile acid in the common wombat (Vombatus ursinus) : 15α-hydroxylithocholic acid (2007)
  • 著者名/発表者名: Genta Kakiyama, Hideyuki Tamegai, Takashi Iida, Kuniko Mitamura, Shigeo Ikegawa, Takaaki Goto, Nariyasu Mano, Junichi Goto, Peter Holz, Lee R. Hagey, Alan F. Hofmann
  • 雑誌名: J. Lipid Res. 48 ページ: 2682-2692
  • 査読あり
• [雑誌論文] リトコール酸固定化担体を用いるアフイニティークロマトグラフィーによるラット肝細胞内タンパク質の捕捉と液体クロマトグラフィー質量分析法による同定 (2007)
  • 著者名/発表者名: 堺俊博, 三田村邦子, 多賀淳, 本田進, 池川繁男
  • 雑誌名: 分析化学 56 ページ: 713-720
  • 査読あり
• [雑誌論文] 胆汁酸の代謝活性中間体を経るグルタチオン抱合体の生成 (2007)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子, 池川繁男, 若宮建昭
  • 雑誌名: 臨床化学 36 ページ: 181-188
  • 査読あり
• [雑誌論文] Oxysterols are substrates for cholesterol sulfotransferase (2007)
  • 著者名/発表者名: Hirotoshi Fuda, Normal B. Javitt, Kuniko Mitamura, Shigeo Ikegawa, Charles A. Strott
  • 雑誌名: J. Lipid Res. 48 ページ: 1343-1352
  • 査読あり
• [雑誌論文] Analysis of bile acid glutathione thioesters by liquid chromatography/electrospray lonization-tandem mass spectrometry (2007)
  • 著者名/発表者名: Kuniko Mitamura, Mitsuru Sogabe, Hironori Sakanashi, Saai Watanabe, Toshihiro Sakai, Yoshihiro Yamaguchi, Tateaki Wakamiya, Shigeo Ikegawa
  • 雑誌名: J. Chromatogr. B 855 ページ: 88-97
  • 査読あり
• [学会発表] LC/MSによる臨床化学へのアプローチ (2009)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] LC/MSによる硫酸抱合型オキシステロールの高感度定量法の開発 (2009)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] A/B-trans構造を有するテトラヒドロコルチコステロイド・サルフェートの合成とESI-MSにおける挙動 (2009)
  • 著者名/発表者名: 沖原梨香
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090326-28
• [学会発表] ラット胆汁中アミノ酸並びにグルタチオン抱合型胆汁酸の解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 堺俊博
  • 学会等名: 第18回日本小児胆汁酸研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-02-21
• [学会発表] テトラヒドロコルチコステロイドのグルクロン酸抱合に関する基礎的検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第19回日本臨床化学会近畿支部総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-01-24
• [学会発表] A new insight in the formation of N-acetylcysteine conjugates of bile acids (2008)
  • 著者名/発表者名: Shigeo Ikegawa
  • 学会等名: 日本薬物動態学会第23回年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 20081030-1101
• [学会発表] LC/MSによる胆汁酸のグルタチオン抱合に関する研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第33回日本医用マススペクトル学会年会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20080925-26
• [学会発表] N-アセチルシステイン抱合型胆汁酸3-サルフェートの負イオン検出エレクトロスプレーイオン化-タンデムマススペクトロメトリーにおける挙動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 堺俊博
  • 学会等名: 第33回日本医用マススペクトル学会年会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20080925-26
• [学会発表] 液体クロマトグラフィー/質量分析法による内分泌代謝疾患の科学的診断へのアプローチ (2008)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第48回日本臨床化学会年次学術集会
  • 発表場所: 浜松
  • 年月日: 20080829-31
• [学会発表] LC/ESI-MS^nによる尿中硫酸抱合型テトラヒドロコルチコステロイドの直接一斉分析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 沖原梨香
  • 学会等名: 第48回日本臨床化学会年次学術集会
  • 発表場所: 浜松
  • 年月日: 20080829-31
• [学会発表] LC/MSによる胆汁酸の体内動態解析に基づくプロドラッグの開発 (2008)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第21回バイオメディカル分析科学シンポジウム
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20080806-08
• [学会発表] Mechanistic studies on the formation of acyl glutathione conjugate of bile acid in rat liver and its biliary excretion (2008)
  • 著者名/発表者名: Kuniko Mitamura
  • 学会等名: Falk Symposium 165. XX International Bile AcidMeeting, Bile Acid Biology and Therapeutic Actions
  • 発表場所: Amsterdam, The Netherlands
  • 年月日: 20080613-14
• [学会発表] Analysis of lithocholic acid-tagged proteins in the rat liver by using immnoaffinity capture and MALDI-TOF (2008)
  • 著者名/発表者名: Shigeo Ikegawa
  • 学会等名: Falk Symposium 165. XX International Bile AcidMeeting, Bile Acid Biology and Therapeutic Actions
  • 発表場所: Amsterdam, The Netherlands
  • 年月日: 20080613-14
• [学会発表] (S)-ナプロキセン投与ラット胆汁中グルタチオン抱合体のLC/ESI-MSによる解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] 胆汁酸の代謝活性中間体によるN-アセチルシステイン抱合体への変換 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡辺彩愛
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] N-アセチルシステイン抱合型胆汁酸-3-サルフェートの合成とESI-MS^nにおける挙動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 堺俊博
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] 硫酸抱合型テトラヒドロコルチゾール並びにテトラヒドロ-11-デオキシコルチゾールの合成とESI-MS^nにおける挙動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 沖原梨香
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] クッシング患者尿中テトラヒドロコルチコステロイド・グルクロニドの一斉分析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 長谷川真紀
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] in situ発生ジオキシランによるコレスタン側鎖C-25位の一段階水酸化とオキシステロール類合成-の利用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 柿山玄太
  • 学会等名: 日本薬学会第128年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080326-28
• [学会発表] LC-ESI-MSによる胆汁酸のN-アセチルシステイン抱合体並びにN-アセチルシステイン抱合型胆汁酸-3-サルフェートの解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 堺俊博
  • 学会等名: フィジカル・ファーマ・フォーラム2008
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20080324-25
• [学会発表] 胆汁酸のN-アセチルシステイン抱合に関する基礎的研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第30回胆汁酸研究会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2008-10-18
• [学会発表] In situ発生ジオキシランを用いるコレスタン側鎖C-25位の直接水酸化とオキシステロール類の単段階合成 (2008)
  • 著者名/発表者名: 柿山玄太
  • 学会等名: 第30回胆汁酸研究会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2008-10-18
• [学会発表] グルタチオンS-トランスフェラーゼによるN-アセチルシステイン抱合型胆汁酸の生成 (2008)
  • 著者名/発表者名: 池川繁男
  • 学会等名: 第17回小児胆汁酸研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-03-22
• [学会発表] LC/ESI-MSによるラット胆汁中グルタチオン抱合型ナプロキセン光学対掌体の解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第18回日本臨床化学会近畿支部総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2008-02-23
• [学会発表] LC/ESI-MS^2によるクッシング病患者尿中テトラヒドロコルチコステロイド・グルクロニドの測定 (2007)
  • 著者名/発表者名: 長谷川真紀
  • 学会等名: 第47回日本臨床化学会年次学術集会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20071122-25
• [学会発表] 胆汁酸のグルタチオン抱合による新規代謝排泄経路の解明 (2007)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第32回日本医用マススペクトル学会年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20070927-28
• [学会発表] N-アセチルシステイン抱合型胆汁酸のESI-MS^nにおける挙動 (2007)
  • 著者名/発表者名: 渡辺彩愛
  • 学会等名: 第32回日本医用マススペクトル学会年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20070927-28
• [学会発表] コルチコステロイド並びにテトラヒドロコルチコステロイド・サルフェートのESI-MS^nにおける挙動 (2007)
  • 著者名/発表者名: 沖原梨香
  • 学会等名: 第20回バイオメディカル分析科学シンポジウム(BMAS2007)
  • 発表場所: 八王子
  • 年月日: 20070702-04
• [学会発表] LC/ESI-MS^nによるヒト尿中N-アセチルシステイン抱合型胆汁酸のトレースアナリシス (2007)
  • 著者名/発表者名: 渡辺彩愛
  • 学会等名: 第20回バイオメディカル分析科学シンポジウム(BMAS2007)
  • 発表場所: 八王子
  • 年月日: 20070702-04
• [学会発表] A potential and novel mechanism for inactivating cytsolic oxysterols by cholesterol sulfotransferase (SULT2B1b) (2007)
  • 著者名/発表者名: Kuniko Mitamura
  • 学会等名: 第20回バイオメディカル分析科学シンポジウム(BMAS2007)
  • 発表場所: 八王子
  • 年月日: 20070702-04
• [学会発表] ラット肝におけるグルタチオン抱合型胆汁酸の生成 (2007)
  • 著者名/発表者名: 三田村邦子
  • 学会等名: 第18回西日本臨床胆汁酸研究会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2007-07-21
• [産業財産権] プロドラッグ及びその製造方法 (2008)
  • 発明者名: 池川繁男
  • 産業財産権番号: 2008-9808号
  • 出願年月日: 2008-01-18