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2008 年度 実績報告書

プロテオーム解析に基づく腎臓癌の新規診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19590167
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

奥村 勝彦  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (60025707)

研究分担者 岡村 昇  武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (60379401)
キーワードプロテオーム解析 / 腎臓癌 / NBS試薬 / TOF-MS
研究概要

従来の我々の研究では腎臓癌患者の癌部で発現量亢進が認められたタンパク質について、NBS試薬を用いたプロテオーム解析を行い、ガレクチンをはじめ多くの「候補タンパク質」を同定してきた。これらのタンパクシ質の中で新規タンパク質は見い出せなかったが、腎臓癌部で正常腎臓細胞より2倍以上発現するタンパク質が34種、癌部で正常細胞の50%以下しか発現しないタンパク質が58種、計92種の候補タンパク質を確認した。その中で24種はすでに腎臓癌以外の癌組織で報告されていたので、残る68種が我々の見出した候補タンパク質となる。これらのタンパク質の中、癌部で2倍以上発現上昇したタンパク質を12種類を選択して、それぞれの定法に従って抗体を作成し、ELISA法による定量法を確立した。腎臓癌の早期診断バイオマーカーとして利用することを目的に、この定量法を用いてそれらの変動機序を解明すると共に、サンプル採取が容易な血清や尿サンプルでの分析を行った。その結果、血清中におけるガレクチン他の定量が可能な分析システムをほぼ完成に近づけることができ、臨床での腎臓癌バイオマーカーの実用化への道を開くことができた。また、癌部に高発現している数種のタンパク質に対するsiRNAを設計し、そのsiRNAで処理してノックダウンさせた結果、VEGFのmRNA発現量の低下を認めた。さらに、培養液中に分泌されているVEGFについても分泌量の低下が認められ、この候補タンパク質は、癌の増殖・転移に関してVEGFの発現を通じて関与していることが示唆された。したがって、これらタンパク質を創薬ターゲットとすることにより、腎臓癌の新規治療薬開発に重要な基礎知見が得られるものと期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Quantitative proteomic analysis to discover potential diagnostic markers and therapeutic targets in human renal cell carcinoma.2008

    • 著者名/発表者名
      N. Okamura, 他
    • 雑誌名

      Proteomics 8

      ページ: 3194-3203

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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