研究課題/領域番号 |
19590185
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
青木 武生 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70150919)
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研究分担者 |
高田 邦昭 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20129290)
萩原 治夫 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80189464)
松浦 勉 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80181692)
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キーワード | 水輸送チャネル / 培養細胞 / 腎臓 / 尿細管 / アクアポリン / 膜輸送 / カベオラ / カベオリン-1 |
研究概要 |
われわれは腎臓尿細管のモデル培養細胞である、MDCK細胞およびLLC-PK1細胞にヒト水輸送チャネルアクアポリンタイプ2(AQP2)を発現させ、そのリサイクルの挙動に関連する分子について探査している。尿細管上皮細胞では、AQP2は下垂体ホルモンーバソプレシンの刺激を受け原尿を濃縮するために、頂部細胞膜から水を細胞内に取り込み、基底部から放出し、問質を経由して、毛細血管に再吸収する機構の一部を担っている。モデル細胞では、バソプレシンの受容体を発現していないので、フォルスコリンを用いて、バソプレシン受容体の下流の因子である細胞内のcAMPを増加させることで、細胞内にプールされたAQP2を頂部細胞膜に移動させるトリガーとした。リサイクリングに関する実験の結果、クラスリン依存性エンドサイトーシス経路の一部のみが、頂部細胞膜AQP2のエンドサイトーシス関与すること、クラスリン関連エンドサイトーシスに必須の幾っかの分子をドミナントネガティブ分子の過剰発現させることで、むしろこの経路は積極的に関与していないこと、AQP2のエンドサイトーシス機構がカベオラ依存性経路に極めてタイトに関連していることを発見した。これは、カベオリン-1のドミナントネガティブ分子を導入した結果、AQP2のエンドサイトーシスが明瞭に阻害されることでその関与が一層明らかとなった。ヒトアクアポリン2を発現していない細胞の頂部細胞膜に存在する陥凹構造は、以前からカベオラとは関係のない構造で、カベオリン-1というカベオラに関与する構造蛋白のみの関与が討論されていたが、われわれはこの構造は明らかにカベオリン-1の関与するカベオラ構造であり、caveolin-2も関係のある構造であること、さらに脂質ラフトに関連する2種類の分子とエンドサイトーシスの輸送路の一部を共有している可能性を示唆する結果が得られた。
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