全反射顕微鏡によるファゴゾーム形成に関わる膜輸送とシグナル制御の解析IgGコートしたカバースリップ上に生きたマクロファージを接着伸展させる"frustrated phagocytosis"をファゴゾーム形成のモデルとして全反射顕微鏡法で観察し、膜輸送のタイミングと部位を分子レベルで高分解能観察するというユニークな方法での解析を試みた。rab34、rab11などのsmall GTPaseや細胞内膜マーカー蛋白のGFP-融合タンパク質を発現させたRAWマクロファージをIgG-coatカバースリップ上でfrustrated phagocytosisを起こさせたところ、骨髄由来のマクロファージのようには広く伸展せず、IgGコートをしていないものとあまり差が認められなかった。frustrated phagocytosisモデルでファゴゾーム形成機構を解析するには、骨髄マクロファージにGFP融合タンパク遺伝子導入を行うか、免疫組織化学染色で観察する必要があることが分かった。 また、今回の結果は、マクロファージの由来、細胞種によってファゴゾーム形成に寄与する膜輸送、膜供給が異なっていることを示唆している。今後、由来の異なるマクロファージにおいてファゴゾーム形成のメカニズムの差異ついても解析を加えたい。 通常のlive cell imagingの解析では、rab35、rab21などの分子がファゴサイトーシス・マクロパイノサイトーシスに関わることが観察された。次年度は、これらの分子の役割についても、mutation実験により解析する予定である
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