研究課題/領域番号 |
19590202
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
高井 章 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50126869)
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研究分担者 |
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯(薬)総合研究科, 教授 (40252233)
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キーワード | 毛様体筋 / ムスカリン受容体 / TRPチャネル / GTP結合蛋白 / 非選択性陽イオンヂャネル / 受容体作動性陽イオンチャネル |
研究概要 |
本研究は、副交感神経支配の効果器、特に毛様体筋や分泌腺細胞における、ムスカリン受容体作動性非選択性陽イオンチャネルと、その活性化に至る信号伝達メカニズムの分子実体を解明することを目的として実施した。2年間の研究で次のような成果を得た。 1. 培養細胞から共同研究者(宮津)が開発した方法によりsemi-htact形質膜標本を作成、免疫染色法により細胞膜において、H_3型ムスカリン受容体、G_<q/11>、およびTRPサブタイプが高密度(>1個/μm^2)に分布することを実証した。 2. G_<q/11>のαサブユニットに特異的に結合し、その信号伝達能を失活させることが知られている細菌由来毒素YM-254890を用いた実験により、毛様体筋においてはムスカリン受容体からの信号が専らG_<q/11>を経由して下流に伝えられることを確定的に示した。 3. M_3受容体からの信号は、従来知られている、細胞内貯蔵部位からの遊離と非選択性陽イオンチャネルを介する流入に伴う細胞内Ca^<2+>濃度上昇に加え、RhoA/Rho kinase系を介する収縮蛋白系のCa^<2+>感受性の上昇も引き起こすことを示した。 4. 毛様体筋において持続的M_3受容体刺激によりtonicな収縮が起る時には、いわゆる容量性Ca^<2+>流入経路(SOC)が活性化されることを示した。SOCの分子実体として注目されている、STIM1およびOrai1蛋白が筋細胞膜/細胞内小胞体膜領域に多く発現していることを証明した。
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