研究概要 |
生体高分子と水分子間相互作用を反映する「磁化移動効果」を利用した手法をMRIに応用して, 非侵襲的に超早期における微小な組織病変検出の可能性を探ることを目的として, 本研究を行った。まず合成高分子ゲルを対象とした基礎研究によって, ラジオ波パルス照射部位に依存した構造特異的なMRイメージングを得ることができた。続く乳がん患者乳腺組織を対象とした研究から, 組織内の細胞密度情報を反映するイメージング法が確立し, このことから, 正常およびがん転移リンパ節の違いを画像として区別できることが明らかになった。さらに肝臓疾患患者の肝組織病変における研究と血液生化学データとの相関解析から, 本法がかなり早期の段階で細胞レベルでの病変検出に有用であることが示唆された。
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