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2008 年度 実績報告書

鍼刺激による覚醒状態調節と膀胱機能改善のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19590222
研究機関福島大学

研究代表者

小山 純正  福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)

キーワード鍼刺激 / 睡眠・覚醒 / 排尿 / バーリントン核 / 脳波 / GABA / 自律神経系 / ラット
研究概要

1. 鍼刺激の膀胱の活動に対する作用
・生理食塩水の注入によって膀胱が自発収縮を繰り返しているとき、56個体への149回の鍼刺激のうち、38%(56回)で膀胱収縮停止、26%(39回)で収縮の抑制(収縮間隔の延長)が見られた。
・別の8個体への21回の刺激では、激の効果はなく、これらの個体の膀胱収縮の頻度(1.3±0.6回/分)は、刺激効果のあった個体(56個体, 149試行)の値(2.0±0.9回/分)より有意に低かった。
・刺激によって膀胱収縮が起こった群と起こらなかった群との間に、脳波の周波数成分に差はなかった。これは、(今回の実験の)鍼刺激の効果は、麻酔のレベルによるものではないことを意味する。
2. 鍼刺激のニューロン活動に対する効果
・ほとんど全てのEタイプニューロン(4個すべてのE1タイプと16個中15個のE2タイプニューロン)は、鍼刺激によって膀胱活動が抑制されるときに活動が抑制された。
そのうち、2個のE1タイプニューロン、4個のE2タイプニューロンは、膀胱活動の抑制に先行して、ニューロン活動の低下が始まった。
・Iタイプニューロン14個のうち、4個は、鍼刺激で膀胱活動が抑制されているときにニューロン活動は上昇した。他の3個は、膀胱活動が抑制されているとき、ニューロン活動も低下した。
・以上の結果は、鍼刺激が膀胱への抑制作用を介さずに脳幹の排尿中枢ニューロンに作用することを示唆する。鍼刺激は、Eタイプニューロンを抑制し、Iタイプニューロンを活性化することによって、膀胱活動を抑制する。また、一部のIタイプニューロンの活動は、膀胱収縮の維持にも関与していると考えられる。
・鍼刺激による膀胱収縮の抑制は、ビキュキュリンによって阻害されることから、鍼刺激の効果は、GABA作動性ニューロンを介していると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 意識障害の基礎-覚醒の神経機構2008

    • 著者名/発表者名
      小山純正 高橋和巳
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience 26

      ページ: 615-617

  • [学会発表] 鍼刺激と睡眠・排尿2008

    • 著者名/発表者名
      小山純正
    • 学会等名
      第4回日本鍼灸師会全国大会(教育講演)
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-10-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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