研究課題/領域番号 |
19590234
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
松村 潔 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (10157349)
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研究分担者 |
小林 茂夫 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40124797)
細川 浩 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90359779)
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キーワード | 脳出血 / コラゲナーゼ / 発熱 / プロスタグランジン / 視索前野 / ラット / シクロオキシゲナーゼ |
研究概要 |
目的脳出血による発熱のメカニズムを明らかにする。 研究実施内容 1脳出血による発熱の動物モデル:フォーレンで麻酔したラットの左視索前野にコラゲナーゼ(濃度50ユニット/ml)を1.4μl、7分間かけて投与した。対照実験として、生理食塩水、あるいは煮沸処理して不活性化したコラゲナーゼを投与した。投与後、ラットは麻酔から同復させ、通常の条件で飼育した。投与2日後に麻酔下で脱血し、腹腔内に留置した温度データロガーを回収し、脳を摘出した。脳は凍結し組織化学的に出血領域を検討した。コラゲナーゼ投与ラットでは、視索前野に出血巣が認められた。その体温(腹腔温)は投与後3時間から高値となり(前日の同時刻と比較して)、高体温状態は2日間持続した。一方、生理食塩水や不活性化コラゲナーゼ投与群では、出血巣はなく、高体温にもならなかった。以上の結果から、脳出血による発熱の動物モデル作成に成功した。 2脳出血による発熱へのプロスタグランジン系の関与:コラゲナーゼ脳内投与と同時に、非選択性シクロオキシゲナーゼ阻害剤(diclofenac、10mg/kg)を腹腔内に投与した。Diclofenacにより約10時間の体温上昇が抑制された。コラゲナーゼ投与10時間後にdiclofenacを腹腔内投与すると、高体温が平常値に回復した。以上の結果は、この脳出血性発熱モデルにおいて、プロスタグランジン系が関っていることを示す。 意義脳出血時に発熱することは臨床的によく知られている。しかし、そのメカニズムは不明であった。本研究は、2年計画の初年度としてそのメカニズムを解析するための動物モデルを確立した。そして感染や炎症による発熱と同様に、プロスタグランジン系が関与していることを明らかにし、そのメカニズムに1歩迫ったことに意義がある。第2年度は脳出血からプロスタグランジン産生にいたる分子、細胞メカニズムを明らかにする。
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